第132話領土拡張


あれから数日が経ち、村の大きさは森を少しだけはみ出るくらいになった。


「アイン様の言っていた物も大体完成してきました。」


「本当に?」


「はい。それにしてもアイン様の教える技術はすごいですね。こんな発想をどうして思いつくのですか?」


「それは神になったときに他の世界の技術が頭の中に入っていったんだ。」


アインはこの数日でこの森の中を電気の部分を魔力に変えることによって、どんどんと地球の文化まで上げていったのだ。


「そうなんですか。それにしてもこの技術は便利ですね。何でこの技術をもっと早く教えてなかったのですか?」


「向こうの大陸は一つ一つの国が大きいし、ここの森の中ならこれを作っても周りの国にばれないからね。」


「なるほど…それでアイン様はこれからどうするつもりなのですか?」


「とりあえず、もっと広げていって、これから来る向こうの人のための家も作っておきたいんだけど…」


「何人くらい来るのですか?」


「魔王さんが国内に一斉送信をしてしまったせいで、兵以外の人も来ようとしているから1億人くらい来るよ。」


「そうなんですか…それでは今の村の大きさではまずいですね。」


「だから拡張したいんだけど…一番近いところが50㎞って、近すぎるな。」


「アイン様、大丈夫です。あの後、あの貴族兵に聞いた結果、一番近い国と反対側にはずっと国がないそうです。」


「何で?こんなに国が多いならできるだけ領土はほしいと思うんだけど。」


「この森には危険な魔物が多かったので、昔、この村より西に広がっている土地に向かおうとして多くの兵がやられたそうです。」


「それならこの森を回って行けばよかったんじゃないの?」


「それは、この森から出てくる魔物にどんどんとやられていって、兵が減って、そこを攻め込まれて滅んでいった国があったため、他の国は同じ事になりたくないので、こっちには来ていないそうです。」


「そうなんだ。それじゃあ、皆で西に向かうか。」


そしてアインは兵を集めて、いくつかの部隊を作って森の西側を探索させた。


「僕はどの部隊と一緒に行こうかな。」


「アイン様は行かないほうがよろしいのでは?」


「何で?」


「正直に申しまして、今回の探索はほとんどやることがありません。」


「何で?」


「我々以外の人がいないのですから、いくつかの村を作ってくるだけですよ。」


「それって皆が持っていった馬車の中って武器じゃないの?」


「武器も多少は入っていますけど、それよりも圧倒的に建材のほうが多いですよ。」


「そうなんだ。皆何日くらいで戻ってくるの?」


「距離にもよりますが、帰りは転移魔法で帰ってきますので、一番近い部隊で今日中、一番遠い部隊でも1週間で戻ってくると思いますよ。我々の足の速さで1週間歩きますと、海までつくと思いますから。」


「そうなんだ。それじゃあ、転移魔法で帰ってきた兵用に僕たちはこっちで先に建材を用意していよう。」


「はい。」


こうして、アインは新大陸にもどんどんと自分の土地を増やしていった。


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