71. 先生の優しさ
ちいちゃんの通う保育園では、月に1度お布団の持ち帰りがある。ただ、年末年始やゴールデンウィークなど、様々な祝日によって毎月決まった日に、と言うわけにはいかず、予定をしっかり確認しないといけないのだ。
「あ、ちいちゃんお迎えきたよ~」
2歳児クラスに入ると、ずらっと並んだお布団の数々。
やってしまった。
そうか今日だったか、お布団の持ち帰り。お布団袋は車に積みっぱなしにしているので取りに行くことはできるが、さてどうするか。
「あの、先生、お布団袋を車に忘れてしまって…取りに戻ってもいいですか?」
「あーほんとですか!じゃぁちいちゃんはここで待ってようね……あ、やっぱり」
先生は娘の布団を抱えると、「じゃぁ、いきましょう!」
「え!?いや、大丈夫ですよ先生!それならわたし抱えていきますから!」
「大丈夫ですよ!今日雨ですし、お持ちしますね」
先生はほかの担当先生たちに事情を話すと満面の笑みで戻ってきた。
玄関までの道のりはちいちゃんもいつもと違う様子に笑顔になっていて、先生との信頼関係を垣間見ることができた。
「ありがとうございました」
「いえいえ!ママさん小柄なのでちょっと心配だったんです」
このときわたしは思った。
たしかに背はそうだけど、先生の方がめちゃ細だからね…?
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