第69話 魅惑のおしり





「ちいちゃーん、起きて、朝だよー」



 ちいちゃんのことは声だけで起こす。体を揺すったり、抱き上げたりはしない。


 何度か呼び掛けているうちに、もぞもぞと寝返りをし始める姿がかわいい。



「ん」


「ちいちゃん起きた?」



 冬の北国の朝は寒い。11月頃からちいちゃんは朝なかなか起きられなくなってきた。わたしたち夫婦も朝は苦手なので、娘のこともゆっくり起こす。



 寝返りをした娘はうつ伏せで丸まる。



「は!おちり!!」



 寝返りをするとだいたい正座で上体を倒したような姿勢で寝るので、おしりがつき出される。おまけに寝ぼけて起きたくないとき、娘は…



「ん、ん~」



 き、きたーーーーーーー!!!


 おしりふりふり~~!




 寝ぼけた娘はおしりを上下させて『まだ寝たいです』アピール。



 毎朝これをみて思う、


「このために娘より先に起きてるわ」




 あかちゃんのぷりぷりのおしりは最早麻薬だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る