第52話 夫と母





「ごめん、3連休いるって話だったんだけど、最終日医者いくことになったから、ごはんいらないってお義母さんに伝えといて」



「おっけ」




 夫は母とはそんなに険悪ではない。



 本人が心のそこでどう思っているかはさておき、見ている限り、わたしと性格の似ている母は話しやすいのかなと思う。




「ほんとなんか毎回申し訳ないよ、ごはんつくってもらっちゃって」




 ……我が家は基本、母がごはんを作る。



 母は祖母譲りの『おもてなし体質』で、誰か来るとなると、その人の好きなものをお腹いっぱい食べてもらいたいと準備をする。



「俺がいると1食必ず鶏肉だし、嫌いなものも『食べなさい』っていうわりに配慮して盛ってくれてるのわかるし…」






 …そんなせいか、夫はごはんの片付けは率先して行う。





「いつもごめんね、洗い物。無理しなくていいからね」


「大丈夫です、このくらい」




 やってもらえるなら興味よりもラクが勝る娘たちを育てた母から見ると、片付けを率先してサッとやり始めてくれるため、悪くないらしい。



 わたしのいないところで、テレビやわたしの話で盛り上がっていることもあり、なんだかんだと仲はいいのでは?なふたり。




「ぶっちゃけどうなの?」




 ふたりに、こっそり質問してみる。




「「うーん、ふつう。」」





 やっぱり仲は悪くなさそう。

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