第50話 家事と寝グズリ





 母と妹と暮らすわたしと娘だが、基本的に娘のことはわたしがするというのが約束で、ふたりの生活に迷惑をかけないようにしている。



 そのため、いわゆるワンオペ育児をしている。



 頼ることもできず、イライラしてしまうことも多々ある。



 そんなときにどうしようもないグズグズが始まったりすると……



「ぎゃあー!あー!あー…っあーーー!!」


「もう、なんなの、ほら、眠いんでしょ、寝ていんだよ」



 赤ちゃんの寝グズリに、どうしようもない不満を抱えるお母さんはきっとわたしだけではないと思う。



 行き場のないイライラが内側にたまって、早く寝てくれと心の中で思い続ける。



 長い長い寝グズリを越えて、ようやくねんねの時間が始まる。



「よし、今のうちに!」



 たまっていた家事を主に消費し、残った時間は自分のしたいことをする。



 とはいえ、これといった熱中する趣味のないわたし、家事が趣味のようになっている。



「洗濯物に洗い物、これは捨てたいと思ってて、こっちのはー……まだとっておくかな。あ、回覧板回さなきゃ!」



 そしてひとしきり家事を終え、おやつを食べている瞬間、


「…しあわせ~」



 と思う。




 おやつタイムに娘が起きたって、したいことをやりあげていれば、とてもおおらかな気持ちで向き合うことが出来る。




「…へ、ふぇ~」



「はいはい、起きたの?おはよう、ちいちゃん」



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