第27話ベビーマッサージ 2





 運命の出会いを果たした美人ママさん、その後の自己紹介で近くに住んでいることが発覚、わたしの心は天にも上る思いだった。



「ちいちゃん、もう始まるよ」



 自己紹介に簡単な説明が終わり、いざマッサージを始めようとなっても、なかなか起きない娘。



 もう、こんなときに限って~!

(※こどもとは予想外の動きをする生き物です)



「ふふ、起きられそうかな?大丈夫、赤ちゃんたちに合わせて出来るよう、ゆとりをもってスケジュールしてあるからね」



「ありがとうございます」



 優しそうな先生でよかった~!



 でもこのまま寝られていては困る。


 だっこ→おろす→だっこ→おろす作戦で、なんとか起こすぞ!



「ちいちゃん、おきて、ちいちゃん、おきて、ちいちゃん、おきて、ちいちゃん、おきて!」


「んっふぅ!」



 あっ、起きた!




 その後、一寝入りしたちいちゃんはマッサージもとてもいい子に受けてくれて……。




「わたなべさんところはおめめぱっちり、かわいいね~」



 え、急によそいきモード?猫被ってる???


 マッサージ後の一息タイムもにこにこと愛想を振りまいて、わたしは本当に安心した。



 よかった…。

 また泣いちゃうかと思ったよ…。



 そう、ちいちゃんはかつて一度、店内で赤ちゃんに見つめられて大号泣したことがあったのだ。


 今回もそうなるのでは?と心配していた。



 親の心配なんて、お節介だったね。ちいちゃんえらい!





 ………帰りの車内で、よそいきモードの切れたちいちゃんがこの世の終わりなほど泣くことは、暑さのせいにしておこう。

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