第22話 暴走

「フルル×グレープ尊い尊い尊い尊い」

「どうしよう……」

「あ、博士と助手来たぞ……」

今、あんかけは暴走してる。暴走といっても少し規模は小さい。何故なら……

「まるで我々に蹴られたサーバルのようです。」

「ゴロンゴロンしてるです。馬鹿なのです。」

ただ『尊い尊い』叫びながらゴロンゴロンしてるだけ。いや、それでも『だけ』で済まないか。

「どうしたら治るのかしら……」

「放っとくとうるさいしな……」

「では色んな方法を試してみましょう。」

「そうです。それが1番です。」

こうしてみんなであんかけの暴走を止める事にした。


①押さえつける

「私が行くわ!」

「頼んだぞ、プリンセス。」

プリンセスはあんかけを手で押さえつけた。

「うぅ……」


ゴロゴロゴロゴロ


「押さえつけても勢いですぐ逃げちゃうわ……」

「マジかよ……」

失敗か……みんな頭を抱えて次の案を考える。


②両方から押さえつける

「私が行こう。」

「私も行きます!」

「コウテイ!ジェーン!頼んだぜ!」

コウテイとジェーンはあんかけの両サイドに行って、あんかけを押さえつけた。


ブブブブブブブブブ


「駄目だ、ゴロゴロは収まっても震えが止まらないし『尊い尊い』も止まらない。」

「何なんですかこのヒト……大丈夫でしょうか?」

失敗……相変わらずあんかけは『尊い尊い』言ってる。


③動かす

「俺の出番だな!こいつを抱えて……と」


ピョンピョンピョンピョン


「……止まんねーし重い。」

重いのは当たり前だが……それでも止まんないの!?

「我々の出番ですね。」

「そうですね。博士。」

そう言って博士と助手はあんかけを抱えて空を飛んだ。


バッサバッサバッサ


それでも止まらなかった。

「むぅ……これが限界なのです。」

「我々にだって限界くらいありますよ。」

駄目か……


④恐怖を与える

「誰かあんかけに恐怖を与えてくれるフレンズはいないかしら?」

「私にお任せを!」

「マーゲイ?」

「あんかけぇぇぇ……私は肉食、止まらないとお前を食ってやるぅ……さーてどこから食べようか」

「怖い~」

フルルが僕に隠れる。っていうか隠れきれてない。

「なっ!?か・わ・い・い!」


バタッ


「マーゲイーーー!」

しかもあんかけはまだ止まらない。


はぁ、はぁ……一体どうすればいいんだ……

「そーいえばフルルとグレープ活躍してない……」

(そうだね。どうしよう……)

「ん……?あれ、そーいえばマーゲイ……あ、分かった!」

(ん?)


ゴニョゴニョ


(なるほど、いいかもね!)

「何か思いついたんですか?」

僕は首を縦に振った。


「あんかけー!止まってー!」

「いやいやいや!そんなんで止まるわけ……」


ピタッ


「ん?フルル達……」

「止まったーーーーー!?どういう事だよ!?」

「あんかけはフルルとグレープのファンなんだよね?PPPのファンのマーゲイがプリンセスの言う事をすぐ聞いたのと同じかなって!」

フルルすごい!えらい!尊い!


「……そ、そんな事があったんですね。すみません。僕、何かに熱中すると我を忘れてしまう事があって……」

「そうだったのね。まあ、一件落着って事で。練習の続きでもしましょう。」


てくてく


「「……あれ?我々へのお礼は?」」



そんなに僕達尊いかな?

まあ……確かにベストカップルだよね。





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