第17話 部屋

「ご飯♪ご飯♪」

(こはんだよフルル)

僕達はばすでこはんに向かっている。

こはんには家とか部屋を作るのが得意なフレンズが2人いるそうだ。

だから僕とフルルの2人だけの部屋を作ってもらおうと思っている。

今はその2人を迎えに行くところ。

おっ、キラキラした湖が見えてきた。楽しみ~


「あなた達がお家作りが得意なフレンズ?」

「はい!俺っちはアメリカビーバー、ビーバーでいいッス!よろしくッス!」

「初めまして!オグロプレーリードッグであります!プレーリーでいいであります!ではではご挨拶を……」

「プ、プレーリーさん、この2人はカップルなのでキスはやめて下さい……」

「へ?……あー!カップルだったでありますか!すみませんであります!」

「分かってくれればいいのいいの~」

っていうかプレーリーの挨拶ってキス……!?

ビーバー大変だろうな……


「んー?地面に穴が空いてる~」

「それは私が掘った穴であります!」

「じゃあお部屋は穴にする~?」

(そうだね。ろっじに行った時も『しっとり』に泊まったし。)

「じゃあお部屋は穴って事で~」

僕達仲が良いけど夫婦ではないからね……?多分。

「了解であります!早速みずべちほーに行くであります!」


こうしてばすはビーバーとプレーリーを乗せてみずべちほーに着いた。

ぶっちゃけデート一瞬だったな……

「着いたであります!ではビーバー殿!指示を下さいであります!」

「分かったッス!まずは俺っち達の家の入口みたいに掘って木で補強して……あ、フルルさんとグレープさんも『こんな部屋にしてほしい』みたいなのがあったらどんどん言って下さいッス!」

「分かった~じゃあグレープ、考えよ~」

(うん!)


と言ってもどうすれば……

取り敢えずフンボルトペンギンが何故地中に巣を設けるのか思い出そう……あ!

(熱とか日差しを避ける為に巣を作ってるんじゃん!)

「お~!じゃあ暑くならなくて~……日差しが入らないお部屋をお願い!」

「承知ッス!じゃあ入口の風通しは良くして、ここら辺に土を被せて日差しが入らないようにしましょう!」

「了解であります!」

「って早!」

効率が良すぎてよく見えない。すごい早さで穴が出来ていく。

きっと僕は今口を開けながら作業する2人を目で追っているだろう。


「「出来た~!」」

「……ッス!」

「……であります!」

「わ~すごーい!」

触っても崩れない土、心地良い涼しさ、ちょうど良い薄暗さ。

(完璧すぎる……!)

「そーだねー!すっごく良いお部屋!気に入ったよ~ありがとう!」

「いえいえそれ程でも……」

「お役に立てて何よりであります!あ、言い忘れてたけれどアレンジはお好きに!」

「分かった~!じゃあボス~!ビーバーとプレーリーをこはんに連れてってあげて、ばすとボスだけまたみずべちほーに戻ってきて!」

応答はしないが、ばすのエンジンがかかったので、声は聞こえるという事だな?

「じゃあッス!」

「またねであります!」

「さよなら~」

僕はお辞儀をした。本当に感謝!



僕とフルルはまどろんだ。

2人きりの穴の中で。

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