シロの話

作者 オレンジ11

84

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★★★ Excellent!!!

純心な猫の視点から語られる小説。主人公の白い毛並みともふもふ具合が簡単に想像できるくらいに可愛らしい口調で語り紡がれている。対照的に,人間の持つエゴイスティックで乱暴な部分が浮かび上がっている。もしも両親の仲が悪かったり,あるいは親がアルコール依存症であったりDV体質であったりしていた方は,その幼いころの経験がシロと重なるのではないであろうか。少なくとも私はそうであった。

★★★ Excellent!!!

酒乱の父が嫌で、猫のシロと一緒に家を出ることになった葵。
一人暮らしの彼女は、シロがキッカケで出会った男性と、仲良くなっていきます。
しかし、人生を歩んでいれば、父と向き合わないわけにはいかない時が来るのです……。

そんな物語を、猫のシロの視点から、やわらかくほのぼのとした文章で語られています。
シロが葵ちゃんと仲良くする姿や、心配する姿、色々とにかくかわいいのです。
しかし、物語はかわいくほのぼのだけでは終わりません。
リアルでもありそうな問題を、しっかりと書かれているお話です。

それでも、かわいいシロからの視点からだと、重すぎるとは感じないお話になっています。
気軽に猫を愛でたい方にも、現実的な考えさせられるテーマを読みたい方にも、読んで欲しいと思わせられる作品です。

★★★ Excellent!!!

問題を抱える家族は、一瞬のきっかけで崩れてしまうかもしれない。
誰かと出会って恋に落ちるのは、何気ないほんの一瞬かもしれない。

このお話は、1匹の白猫「シロ」の視点を通して見た、飼い主の「葵ちゃん」という1人の女性の人生の物語です。

これまで育ってきた家庭と、これから築いていく家庭。「葵ちゃん」自身が抱える問題は重くてシビアです。
それを「シロ」の視点から見ることで、重苦しさがふんわりと緩和され、なおかつ問題点がシンプルにフォーカスされるようになっていて、すごく上手いなと思いました。

何気なく結ばれた恋は、いつの間にか愛に変わっていくかもしれない。
壊れてしまった家族も、もしかしてやり直せる日が来るかもしれない。

そんな希望を願いたくなる、爽やかな読後感のお話でした。

★★★ Excellent!!!

この物語は飼い猫のシロ(人間で言えば五十歳の女性)が語り手となって飼い主の葵ちゃんを見つめていきます。
葵ちゃんの家庭には、長年見て見ぬふりをしてきた問題があります。一見平和に見えた家庭像に、少しずつ少しずつ歪みが生じてきて……一見ほのぼの動物ものに思えた物語に少しずつ亀裂が生まれ……。

現代ドラマやニュース、エッセイ、コラムなどを好む方に、この著者様の作品はしっくりマッチングするのではと思います。
あまり内容を語ってしまうのも憚られますので、気になった方はご一読ください。

★★ Very Good!!

猫目線で描かれる現代ドラマ。

お上品でおっとりした語り口に、ほのぼのとした物語が展開するかと思いきや、飼い主家族は大きな問題を抱えていた。

真面目で努力家の飼い主に愛されながら、シロもそんな飼い主を温かく見守り、時に励まし、時に恋のキューピッド役もかってでる。

重いテーマながら、シロの穏やかさや可愛さに癒されます。
甘すぎない、だけど重すぎない物語が読みたい人、おすすめです。

★★★ Excellent!!!

まず言いたい事は……シロちゃんが兎に角可愛い!

小さい頃に今の飼い主である葵ちゃんに拾われた子猫のシロ。それから時は流れ、一人と一匹を取り巻く環境は変わりました。

酒乱の父親が嫌でシロを連れて新しい生活を始めた葵。そこで一人の男性と出会い恋に落ちる。これらの出来事を猫視点で描くことで、独特の可愛らしさが出てきます。

起こる出来事は良い事ばかりではありません。酒乱の父親のせいで悩む葵と、それを見守り続けるシロ。
とってもご主人想いのシロの健気な姿は、猫好きなら心ときめかずにはいられないでしょう。

★★★ Excellent!!!

猫が普段、何を思っているのか気になりませんか? 飼っている方なら特に気になりますよねー。

妙にエレガントな口調の猫、『シロ』の視点から展開するひとつの恋模様。
「結婚」という言葉にびっくりしたり、猫なのにやたらと人間の女性的な反応がコミカル。だけど実際には、ニボシの誘惑に勝てなかったり、膝の上でゴロゴロ言ったり、しっかり「ネコ」しているところがまた面白いです。