のんびりシェムリアップ

12/7  inシェムリアップ 


 午前中に起きる。今日はアンコール遺跡を見に行くつもりはないので、のんびりと身支度をする。日記を書き、シャワーを浴びて洗濯をする。昨日のバスの移動で多量の砂埃をかぶり、ニット帽とT-シャツは驚くほど汚れている。念入りに洗う。スウィーティーでかっぱらった洗剤は使える。


 ウォークマンの電池がきれ、取り替えるが動かない。えー! プレイのボタンを押しても「カタッカタッ」と音がするだけで動く気配がない。ためしに古い電池を入れると動く。壊れていない。もう一度ウィークエンドマーケットで買った電池をいれる、動かない。大量に買った電池が無駄になってしまう、なんとか使い道を探さなきゃ。


 スピーカーには使えることが判明する。4×7本はすべてスピーカー用につかうことにする。かるいショックを受けるが、「壊れてないからいいや」と思い込む。そういえばカメラのバッテリーが切れそうだった、充電器を探す。ない! どこにしまったか記憶がない。最近は使っていないので見ていない。嫌な予感がする。最後にどこで使ったかを思い出すと、ドンデット! 「あっ!つけっぱなしだ!」思い出してさらにショックを受けるが、しかたがないと開きなおる。「これからどうしよう? 人に借りるか? どこかでさがすか? それか写真をあきらめるか?」面倒くさいことになってしまった。とりあえず人から借りる方向でいく。


 やることがなくなったので歩いて散歩に行く。自分の中でのカンボジアのイメージは、薄汚れていて、何もなくて治安が悪い。しかし、歩いてみるとラオスよりも栄えている。バイクの量が多く、そこら中に人がいる。店も色々とあるし、食うところを選ばなければ困らなさそうだ。


 カメラ屋がたくさんあるのでのぞいてみると、キャノンのカメラがある。これは期待できそうだ。何軒かまわると、充電器がおいてある店を発見する。すごい! カンボジア、見直したよ。


 ためしに使わせてもらうと、赤いランプは点灯し、使うことができる。ソケットが外国式だが問題ない。値段を聞くと40ドル。高い! さすがに40はきつい。充電だけを聞くと4ドル、びみょうに高い。「1ドルでいいじゃないか!」と思い断る。電池も売っていたが、1ドルは高い気がして買わない。最近は本当にけちになった。腹がへったので近くの屋台でメシを食べる。1500リエルとお安い食事がほっとする。


 充電器を借りるために日本人を探すことにして、日本人宿で有名な“タケオGH”に行く。途中で会った日本人に場所を教えてもらい、たどり着くと、おー、いるいる。一人ずつ聞いてまわるがだれも持っていない。充電器を持ってこない短期旅行者ばかりだ。パチカを持った人がいる、自分も偶然パチカを持っている。座ってお話しする。


 パチカ使いのドレッドの人は、両手使いでとてもうまい。見ていると、どうも自分と持ちかたが違う。ちゃんとした持ち方をしる。技をすこしだけ教えてもらう。


 GHに戻る途中、バイタク(バイクタクシー)の青年に声をかけられる。ためしに「ガンジャ?」と聞く。どうやら持っているらしい。3分待ってといわれる。


 待つこと5分、来ないので帰り道を歩いていると、さきほどの青年と遭遇する。“ねた”をみせてもらうとあまりよくはない。5ドルと言われ、値切って3ドルで買う。あっけなく大麻が手に入ってしまった。


 こうなるとCDを聞けたほうがよりいいので、さきほどのカメラ屋に電池を買いに行く。ショーケースの中を見ていると、お姉さんが充電式電池をすすめてくれる。電池2本と充電器であわせて10ドルだ。高いけど、とうぶん使える、それに電池を買う必要がなくなる。すこし迷い、アルカリ電池2本つきで10ドルで決着する。金が足りないので急いでGHに取りに行く。


 やったー! なにげにうれしい。宿に戻り、ぶりって音楽を聴く。やっぱり大麻と音楽はいい。イヤホンでCDを聞きながらジャンベをたたく。ハイテンションでたたきまくる。


 吸ってダラダラしているとドアをノックする音が、おそるおそる開けてみると、“タイゾウ”だ。部屋で一緒にぶりる。残りのぶりを“タイゾウ”にみせると、ハサミでチョップしてくれる。


 “タイゾウ”がエロ本に夢中になっていると、ゴリラっぽいカンボジア人がくる。二人ともエロ本を読んで興奮している。ノリは良く、おばかなカンボジア人だ。最後に入ってきたクールなカンボジア人は礼儀正しく、静かで良い人そうだ。


 吸いすぎて重くなって眠ってしまう。


 おかしなカンボジア人と大麻、とても楽しいGHだ。明日はいよいよアンコール遺跡だ。大麻(ぶり)を手に入れ準備万端だ。チャリで動きまくるぞ!

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