バスケのセンターっぽいかわいさん

11/27  inシーパンドン 


 今日も日の出とともに目を覚ます。今日は滝に行く気がしないので、ジャンベの用意をして歩いて出かける。10分ほど歩いた田んぼでジャンベをたたくことにする。


 いつものようにとりあえず一服いれて、とにかくジャンベをたたく。ニット帽をかぶった包茎スタイルは、本気で叩いても音が小さいので本当に使える。これならどこでも練習できる。最近は本気でジャンベにはまっている。たたきはすこしずつだけど正確になり、コントロールして音が出せるようになっている。とにかく楽しい!

二時間ぐらい叩いて宿へ戻り、眠る。


 昼前に目覚める。早起きすると朝が長い。すごく気持ちのいいことだ。大げさになってしまうが、朝は人生を豊かにする。腹が減ったので、一番近いレストランに行く。店の女性はすさまじく無愛想で攻撃的だ。


 フライドヌードルを食べていると、坊主頭の日本人が目の前の道を通る。背の高い人だ。あいさつをして会話する。GHを探しているらしく、自分の泊まっている宿を紹介する。礼儀正しくておだやかな人だ。


 紹介したGHに決めたらしく、一緒に食事をする。24歳でかわいさんというらしい。大阪出身らしいが標準語を使うので大阪らしさを感じない。ルアンパバーンから来たらしく、それまでオーストラリアにいたようだ。


 少し話をしてからシャワーを浴び、洗濯してから残った用事を済ませる。まだ昼過ぎで今日はたっぷり時間がある。船着き場のラオス人の青年がえさを持っているので、もらいにいく。


 針を持ちながらそれっぽい人を見つけ、ジェスチャーで聞く。ちょっとしたナンパみたいだ。誰も餌を持っていないので、昨日の店に行くが、青年の姿はみあたらない。かわりに近くのおっさんに聞くと、えさの場所まで案内してくれる。

餌をもらえるのかと思いきや、仕掛けやルアーを見せてくれる。どうやら勘違いしているのかもしれない。道具を見ていると、ワームの袋がある。ワームなら臭いえさを持たなくて良い。糸がきれるか、食べられるまで使える。しかも、持っている釣り針にはちょうど良い。ワームと針をもらい、1ドルで買う。やったー! これでつりができる!


 宿に戻り、ぶりってからしかけをつくる。中学生以来のつりだ。バッチリ出来上がり、ベランダから河に投げる。うーん、なつかしい。あまりやったことはないが、体は動きを多少覚えている


 10分ぐらいして終了する。つりができることを確かめ、ぼーっとする。あまりにも暇なので、ジャンベをたたきにいく。


 ちかくの田んぼでたたくが、家から近すぎたみたいだ。民家の人に注意される。しかたなく初日にたたいた場所まで歩く。


 朝叩いたよりも調子が悪い。たたき始めはいつも思うように叩けない。30分ぐらいすると体がなじみはじめる。あまり大きくたたけないが、思う存分にたたく。ジャンベ楽しい!


 日が沈み始めたので、レストランでメシを食べる。“しょうが焼き”を腹いっぱいに食べる。宿へ向かって歩いていると雑貨屋にフルーツが置いてある。パイナップルがまるまる一個置いてある。値段を聞くと、「シップハーン!」おもわず衝動買い! パイナップル一個を手に入れてGHへ戻る。


 ベランダのテーブルで、パイナップルを切ろうとしていると、かわいさんが目の前を通る。一緒にパイナップルを食べながら、テーブルに座ってお話をする。


 タバコも大麻も吸わないかわいさんは物静かな人だ。かわいさんが持ってきたラオ焼酎をまわし飲みする。ぬるくてまずい。けど、安い。


 ワーホリの話や、島のこと、今までのことを話す。パイナップルの食べ過ぎで口がひりひりして、焼酎を飲む気がしない。電気が消える時間になったのでおやすみする。


 河に面した宿の小屋は、日本人二人だけだ。

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