彼女が求めたのは、世界の端だった。

 少女二人の友情物語だが、その青春は痛いくらいに、切ない。
 複雑な家庭で生き、学校でも感情を押し殺していた友人。学校の何気ない風景――お弁当や修学旅行でさえ、友人には辛かっただろう。そんな友人がある日突然言ったのがこの言葉だ。
 「世界の端に行きたい」
 友人のこの言葉に、主人公は返す言葉を見つけることができなかった。そして友人は、本当に「世界の端」に行ってしまう。後悔や悲しみを乗り越えた今、友人に言えることは……。
 貴方の大切な人が過酷な状況に置かれた時、貴方なら、その大切な人にどんな言葉をかけてあげられるだろうか?
 語彙の豊かさだけでも、美辞麗句を並べても、きっと人の心は救われない。そこに、自分の「貴方が大切だ」という思いが込められていなければ。
 是非、ご一読下さい。