エボリューション・アイランズ!

作者 馳月基矢

ノスタルジーと大人の青春と飯テロが同時に襲ってくる

  • ★★★ Excellent!!!

五島列島の民宿の子である小学5年生のレンは、ミニ四駆の大好きな普通の少年。
彼のもとに同い年の挑戦者ヒカルがやってきたことで、彼の小さいけれど穏やかな日常は大きく動き出す。

民宿に泊まりに来たなんだか浮かない顔をした青年ハルタや、ミニ四駆仲間の大人たち。
彼らとのかかわりを通して、レンはこの島の今と未来を見るようになる。


この作品の魅力はもうてんこもりで、すべてを語りつくすことなんてできない。
昔、友達とあそんだミニ四駆。そのとき感じたわくわく感。
もう子供ではなくなってしまった大人たちの、挫折と奮起の物語。
電気自動車が多く走る五島列島の事情。
一緒に旅行している気分になる島めぐり。
そして、めちゃめちゃ美味しそうな島の名産の数々と飯テロ。
そのうえ、ボーイミーツガールまであったりする。

でも、そのすべてが。穏やかでさわやかな空気に包まれていて。
読み終わった後、なんとも清々しい気持ちになった。
まるで五島列島のきれいな空気が、このいつもと変わらない自分の日常にふっと現れたような。そんな清涼な読後感につつまれ、よーし私も頑張るぞ!と明日に向かって一歩踏み出したくなるような、そんな素敵な物語。

ただし。
これを読むと、今すぐ飛行機のチケットと有給休暇をとって五島列島にひとっとびしたくてたまらなくなるので、それはご注意を。

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