身を削り、心をくべて



身を削り心をくべて。


ありったけのものを失った先に見える

がらんどうの喜び


歓喜の虚無 


見えず


聞こえず


でも確実に


確信するために必要なものはただ自分だけでいい


酔っ払いの戯言のように ポン中の勘ぐりのように


誰かが見下して笑うのだけれど

事実、笑っちまうくらいにそれは曖昧で


踏んづけても気づかれず靴の裏、そこにペラペラになってくっついてやがて剥がれ落ちていく名もわからない虫の死骸


ヒビの入ったiPhone7の液晶上で行うフリックくらい手軽な愛を囁かれてみれば


疑いつつも片目閉じて明日を信じられる幸せな人を羨む


身を捨て、見捨てて何も無い喜び


虚無の歓喜


見据えて見つめていく。 


暮れていく





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