花見酒


朱色の杯によく映える桃色の花船を浮かべ


煌めく酒精の海 ことごとく飲み干せば


溺れ溺れる 赤ら顔 いやはや果たしてここは極楽か現世(うつしよ)か?


揺れる水面 千鳥足 


風の吹くまま 流されて


もう知らぬ構わぬそれでよし


投げ出す四肢と身体でふと見上げれば


清流のお空を雲が流れて桜の星々が降り注ぐ


ああ春の船旅はただ順調に


瞳を閉じて春眠、暁に旅立つ

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