自我の換気


閉じられた個室の中に満つる『自分』で飽和していく『私という存在』


窒息してしまう前に窓を開けよう。


『自我』は窓から流れ出て、新しい風が部屋に吹き荒れる


それは怖いことなのかもしれない


肌寒く、また暑苦しくも思えるだろう。


それでも循環という換気が必要なのだ。


それを忘れて安楽に臆病にしていれば、


私は『私』に塗れ


包み込まれ


呑み込まれ


消化されて一つの塊へと変貌してしまうだろう。


もはや動くことも進むこともできない私はそこで独り孤独に朽ちていく。


我執という塊に成り果てて。


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