意味から逃れられず
空の青さを知る不幸 海の広さを見る苦悩
井の中の蛙は暗い井戸の底の幸せを懐かしむ
知ることによって進む先、知ることによって喪う道
何も無いことによる迷いの無さ
有り余ることにより覚える窮屈さに泣きふける鳴き声はただただ悲しく麗しく
泥の中の魚は清浄なる水の心地良さを喜ぶだろうか?
居るべきところを離れ 為すべきことを知る
それによって生じる傷の深さと痛みを無責任に尊ぶ、胡散臭い誰かの歓声
意味から訣別することで得られる解放感と心細さに、戻りたくなる怯懦を冗談で誤魔化すも喉の奥に張り付いた恐怖は無自覚に増殖していく
鳥は隠れることの出来ない空を飛び、遮蔽物の多い地を這う獣を羨み
地を這う獣はどこまでも逃げることのできる広い空を飛ぶ鳥を羨む
人はただそれを想像するだけ
真実なのか妄想なのかわからずに、そうなのだと思い込むことの傲慢さよ
ああそれすら生物としての仲間達を見下す行為だと気付かず、今日も世界で産めよ増やせよと飽和していく
そして意味から逃れようとしたこの詩ですら最後はこうして締めくくる自身の無能さを誰かが嘲笑するのを聞きながら瞳を閉じる
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