無意味の旅人
歩き続ければ取りこぼすことばかりだ
何も持たずに産まれたはず
なのに進み続けることで沢山の荷物を背負い
それを失い続ける毎日だ
それでも手ぶらになることはない
ただ失った荷物の重さだけは根強く心の底に落ちて消えることはなく
進み続ければそれは際限無く続いていくの
だろう
ああいっそのこと放り出して立ち止まってしまおうか?
誘惑にも似た決意
それでもここは殺風景で
退屈で
恐ろしいまでに何も変わらない
停滞すれば砂嵐が自分を削り続けていくだろう
ならば詩(うた)を唄おう
それが誤魔化しでも逃避だとしても
喪うことを嘆き、笑い、そして叫ぶように
それが無意味だとしても…だ
世界は何も変わらない。
あいもかわらず、無慈悲なまでに
それでも心は
内面は想像することで縦横に変化していく
だから自分は唄うのだ
喜びを
怒りを
悲しみを
そして楽しむ
無意味な旅人はそれだけを頼りに進む
やがてそれすら出来ずに虚無に溺れるまで
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