狂人観察


心の中に吹く嵐に狂気して、屋根に昇りてもっと吹き荒れろと叫ぶ狂人はそのまま高転びして死ぬだろうか?


それとも台風一過で雲一つない虚無の青空を見上げて一人呆然と野原に倒れこみ昏睡するように死ぬのだろうか?


それとも感情が枯渇し、喜ぶことも悲しむこともなく、ただただ呆けて家の中で座り込んだまま、くたばるだろうか?


心は磨耗し、ただ感情の流れでパタパタ回るだけの風見鶏としてただただ風化していくだろうか?


いずれにしても狂人は狂喜と虚無を繰り返し、その狭間でドタバタと足掻きの踊りを舞うことだろう。


赤の他人様はそれを見物して楽しめばいい


その喜びも怒りもそして寂しさも他人には理解されないからこそ、狂人が狂人たる所以なのだから。



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