概要
あなたはなんと運が良いのでしょう!
この本は世界で一冊だけの本です
ですが不幸なことに、世界に一冊しかないのです
読み終わったら、あなたがもっとも信頼する人にお渡しください
Congratulation. How lucky you are!
This is a book in the world.
But unfortunately, this is an only book in the world.
So, after you finish to read, please give someone who is trustworthy.
「ニンゲンを憎んでるのがおまえだけだと思うなよ!!」
植物の精霊のオレンジとラベンダーは、リヨンにあるガト
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!児童文学のようでいて、奥深さに引き込まれます
※軽いネタバレがあります。未読の方はこのレビューを見ないようにお願いします。
初っ端から風刺が効いていて、瞬く間に惹かれました。
世界史をかじった程度の知識しかありませんが、それでも首肯が止まりません。
確かに、パリの道端は糞だらけと聞き及んだことがあります。衛生観念が発達していないから、窓から投げ捨てていたのだと。ハイヒールは実はこのために発明された靴だとも、朧気ながら記憶に残っています。まあ、この点について長々と述べても釈迦に説法ですから、短く留めますが、冒頭からの博識さに、早くも魅力を感じました。
「おまえに食わせてやれるのは、パリ砲ぐらいだ」(1輪「良きトイレと髪の毛は、人生を…続きを読む - ★★ Very Good!!転がる星と受ける穴
今は亡き澁澤龍彦のエッセイで……確か『ヨーロッパの乳房』か『黒魔術の手帖』か、その辺りだったか……『匂いのアラベスク』というくだりが出てくる。香りは良くも悪くも海馬を刺激する。
『 パリの悪臭のあまりの酷さにフィリップ尊厳王(オーギュスト、在位1180ー1223)を失ったほどであった』……『中世ヨーロッパの生活(白水社)』で、ドークール氏が述べたその街並みは、主人公にいわせるならさほど変化していなかったようだ。しかし、主人公はそんなパリを……ひいては人間なるどうしようもないイキモノを……愛してやまなかった。本作を拝読していると、人間を愛さないのは人間くらいじゃないのか、などと逆説めいたエ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!変化球と思わせて、実は剛速球
いや~、面白かった。
とにかく最初は全然わからなかった。
自分の読解力が不安になるくらい。
文章は読めるが、全然、何が起きているのかわからない。
我慢して読んでいると(失礼)、徐々に雰囲気で読めるようになっていく。
理解不能なことを理解不能なまま放置していれば読める。
そういえば、子供の頃の読書ってこうだったよな、と思い出す。
すべてを理解していなくても、なんとなくで読んでいたっけ。
たぶん、もっと知識があれば、楽しめる部分がたくさんあるんだろう。
僕は、幾つかの小ネタで笑うことができたけれど、全然わからなかった部分も多い。
ストーリー自体は、抽象すれば非常に王道。
友を救うために仲…続きを読む - ★★★ Excellent!!!タグに偽りあり。いい意味で。
児童向け、植物の精霊ときてピンと来たのは、やさいのようせい。
きっと、その先入観は裏切られることでしょう。
作者のセンスと知識に裏付けられた風刺や、ウィットに富んだジョークが十分に大人も楽しませてくれます。
それぞれ元になっている植物の特徴を生かした、個性あるキャラクター達も魅力的で読んでいて全く飽きがありません。
若い(それでも200年)精霊のオレンジ君の語りが、一歩間違うと重いストーリーを柑橘系の清涼な香りの如く心地好いリズムで流してくれます。
特に植物精霊界のスラングが秀逸だと思いました。
作者のセンスが光るこの作品、一読することをお勧めします! - ★★★ Excellent!!!素晴らしく独特な軽妙洒脱!
ウィットとエスプリとハーブをカクテルした華麗なアロマ。
とでもいうべき、素晴らしく独特な軽妙洒脱さ。
絵本めいたタイトルと、児童向けというタグでありながら、真の子供向け作品は子供騙しでは断じてない、大人の鑑賞にも堪えるものだという言葉を体現する作品だ。
独自の用語、現実と重なりあうファンタジー世界の構築ぶりはさながらハードボイルドなハリーポッターとでもいうべきか。
植物の精霊だからこその表現や、ギリシャ神話を元にした衒学、第一次大戦のドイツにおける豚の大量屠殺等の歴史知識も踏まえた設定の妙。
主人公の性格もタフと皮肉と自由さが程よくバランスが取れている。こいつぁ面白い作品だ!……作者の情報調…続きを読む