第031話『りう"ぁいあさんの○○○ 4』
※三人称視点?(ナレーター)が進行致します。
ミレアが
「む? 今リヴァイアサンの体内から強大な魔力がかんじとれたぞ?!」
「き、きっとミレアちゃんですっ!!」
お二人は水中から現れたリヴァイアサンを眺めながら、そう声を上げました。
まだミレアは生きているとひと安心したところで、セルベリアが魔力を高め始めます。
きっとこれはお得意の『
「…………強大な魔力はリヴァイアサンの下部から感じ取れた。 ならばリヴァイアサンの首を落としてしまってもみれあに危害は加わらんだろう……」
そんな危険漂わせる魔王セルベリアは大鎌を空に掲げ、詠唱を始めます。
「神獣を狩る矛よ――――我が無謬たる一閃と共に愚かな世界を蹂躙せよ―――――――」
因みに詠唱文は自身で作るものなのです。そしてセルベリアの詠唱文は全てレギオスが考えているそうですよ。
詠唱を続けていくに連れて、大鎌に禍々しい魔力が集まってきます。
「第七階梯蹂躙魔法『
―――――そして、詠唱を終えると技は完成します。
『
なんとも山を真っ二つにしてしまうほどの火力を武器に付与するとか何とか―――――――
セルベリアは黒蝶を羽ばたかせ、リヴァイアサンの首元に飛び上がり、強大な力を纏った鎌を全力で振り翳す――――――――が。しかし、
「やはり神獣。 『
『
神の加護とも呼ばれる
しかしそれらはあくまで人間がまとめたデータであり、真実では無いのです。
………そう、魔王たるセルベリアの力に掛かれば、こんな障壁など容易い―――――――
「―――――ッ?! はぁぁ……。降参じゃ………」
―――――と、言いたいところですが。
さすがの魔王でも神には抗えなかったようです。魔力をかなり使ったセルベリアは残りの魔力でティアの元に戻り、
「お疲れ様、セルベリアちゃん」
「………すまない。 もうみれあはリヴァイアサンのうんこ以外では脱出できなそうじゃ」
あの比類なき魔王セルベリアが白旗をあげたのです。これはもうミレアはリヴァイアサンの排便でしか生きて帰る術が無くなりました。
―――――そうして二人が諦めかけていた時、奇跡が起きます。
先程のセルベリアの打撃のせいか、リヴァイアサンが少し怯み、荒波を立てたのです。
「セルベリアちゃん。も、もしかしてこれは………」
「――――きっとあれじゃ。"うんこ"じゃ」
リヴァイアサンの巨大な身体が畝り、暴れ回ります。これはそうですね…………排泄をするリヴァイアサンですね。
リヴァイアサンの身体は鰻状になっており、更に腸も真っ直ぐ伸びているのです。
そのせいでリヴァイアサンは態々体勢を変えなければ排泄を行うことができないのです。
「なぁてぃあ。 リヴァイアサンのうんこってやはりでかいのか」
「い、いえ。そんなに大きくはないと書かれていますが………」
ティアは鞄から『神獣のヒミツ』という本を取り出し、セルベリアにそう教える。
………だがしかし、リヴァイアサンは暴れるばかりで一向に排泄を行いません。もしかして体内でミレアが何かを行っているのではないかと考えるが、体内からは魔力が感じられない。
つまりこれは、
「"便秘"じゃな」
「"便秘"ですね」
あの苦しみは全種族平等。
………皆が共有出来る唯一の絆と言っても過言ではないでしょう。
同じ苦しみを味わったもの同士としてティアとセルベリアはつい応援してしまいます。 恐らくミレアもうんこと共に姿を現すと信じて。
『キシャァァァァァァァァァ!!』
………すると、リヴァイアサンが甲高い声で泣き始める。――――――もしかして来るのでしょうか? デカイものが。
「「(ドキドキワクワク)」」
いつの間にかティアとセルベリアはリヴァイアサンの排泄を快く待ち望んでいました。
―――そしていよいよリヴァイアサンの肛門からでっかい卵が――――――――
「「え」」
二人は思わず口を揃えて愕然とする。
………それもそうです。
あの神獣リヴァイアサンがうん――――排泄物ではなく、無数の卵を産んだのだから――――――。
『うわぁぁぁぁぁ?!』
『………新たな神獣の誕生じゃぁぁぁ!!』
卵と共に、二人の人影が海に落ちる。
………はて、もう一人は誰か存じませんが、ミレアが帰ってきたので一件落着――――――。
………と、だけで締めくくれない事態が今、起こってしまったのだ。
――――"神獣が生命を紡ぐ"。
これは歴史上初の出来事でした。
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