人魚のための靴

「ほら、貴女の足に合う筈よ」


海色の絹地の爪先には真珠を縫い付けた靴は白い小さな足にぴたりと嵌まる。


「お代はいいわ」


銀髪の老婆は若い娘の肩を叩いて頬笑む。


「街で同じ靴を履いた人がいたら、海から来た貴女の仲間よ」


老婆の足には褪せた海色に古びた真珠を縫い付けた靴が収まっていた。


*水面に投げた言葉@お題配布@mizutamari_Ss03さんの「人魚のための靴」からの創作です。

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