1月15日 イチゴの日
この日の天気予報は午後から雨。
子どもたちも傘を持っている子が目立ちます。
ちひろちゃんが持ってきた傘は赤地に白いドット模様、先端部分が少しだけ緑色になっていました。
「お、その傘はイチゴ?」
いつも使っているのは薄紫のパステルカラーだったから、今日に合わせてお母さんが持たせたのかな。ところが帰ってきた返事は――。
「スイカだよ」
「えっ、そうなの!?」
とっさにそう答えてしまいましたが、あれはどう見てもスイカじゃないでしょ。スイカなら黒いドットだし、緑部分も逆に位置して黒いギザギザラインが入るはず。
まぁ本人がそういうんだからスルーしてと思っていたら、その傘を前かごに向かって投げてきました。
「危ないし、傘が折れちゃうよ」
「そのままもってって」
カゴはステンレスのワイヤー上になっているので隙間があり、そこを横から通して串刺し状態にしています。
取ろうとすると「だーめ! そのままもってって」「壊れちゃうでしょ」といったやり取りが続いた後、結局ちひろちゃんが手に持って登校班は出発。
私は後ろの方でリンちゃんと話をしながら進んでいました。ふと前を見ると、ちひろちゃんが班長さんに傘を開いてもらっています。
やっぱりイチゴじゃん。
そして、いつものように途中でみんなと別れて自転車で学校へ先回り。
校門前の横断歩道で黄色い旗を持って子どもたちの誘導をしていると、わが登校班の一団もやってきました。
「かさ壊れちゃったー」
先頭の班長さんの隣を歩いているちひろちゃんが、にこにこしながら叫んできました。
みると傘の骨が一本、くにゃっと曲がっています。さてはおじさんがいなくなってから、団地の中で何かやったな? まったく。
おてんばだけどいつも笑顔のちひろちゃんでした。
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