前のエピソード――12月24日　サンタさんのお仕事

　冬休みも終わり、今日から学校も始まりました。

　みんなと会うのも久しぶり！

　上履きや防災ずきん、お道具箱など持って行く荷物が多いのが、休み明け初日あるある。

　昨夜の雨で自転車を会社へ置いて帰ってきたため、今日は歩きでした。いつもならば低学年の子の荷物は自転車に載せて持って行ってあげるんだけど、ごめん今日はみんな自分で持ってと言っているのに、ちひろちゃんは強引に持たせてきます。

　かわいい女子には弱いので（笑）仕方なく持ってあげると、マシンガントークが始まりました。

「今日ね、きなこ餅食べてきた」

「お、いいね。おじさんも好きだよ」

「時間がないから残してきたの」

「最初の日だから遅刻しないようにしなきゃね」

「すみっこぐらし（ちひろちゃんは大好き）のゴムが見つからなかったから、赤いのにした」

　ここでくるりと背を向けます。

「ほんとだ。可愛いね」

「今日は髪形も変えたの。ママに言って横にしてもらった」

　たしかに、いつもはポニーテールだけど今朝はサイドから前に流しています。

「似合っていて可愛いよ」

　そう言ってもらえて満足したのか、荷物を私の手から奪って列に並びました。

　登校班が出発して少し行くと、まつりちゃんが荷物をたくさん持って後ろから歩いてきました。

　ちょっと待っていると「靴の紐が変なの」と不機嫌な様子。

　見ると、蝶結びをほどく時に失敗したようで変な所に堅結びが出来ていました。

「これじゃ、歩きづらいでしょ。ちょっと待って」

　止まってもらい、紐をほどいてから結び直します。

「おお、すげー」

　二人で登校班の列を追いかけました。

　大通りを越えたところからは、リンちゃんのぼやきタイム。

　冬休み中も塾だとは聞いていたのですが、塾の休みは大晦日と元旦、一月二日の三日間しかなかったこと、いつもの教室だけじゃなくお母さんに車で送ってもらって講習を受けに行ったこと、算数の先生が嫌いな先生だったこと、塾で勉強している時間がお母さんの働いている時間より長かったことなどなど、ずっとぼやきっぱなしでした。

「大変だなぁ。頑張ってね」としか言えない私ですが、愚痴りながらも笑顔を見せているのでリンちゃんらしいと少し安心。

　そしてカンナはというと、インフルエンザでお休みでした。