第30話 神帝暦645年 8月22日 その14
まあ、俺がおっぱい仙人というモンスターにカテゴリーされるかどうかと言われたら、世の中の全ての種族の男たちは、おっぱいに関する何かしらのモンスターになるわけだな?
「ウキキッ。ツキト殿はおおきなおっぱいばかり視ていてはいけないのです。たまにはおしとやかなおっぱいを愛でることを忘れてはいけないのですウキキッ!」
「そんなこと言われても、俺はアマノが好きで愛していて、そのついでにアマノのおっぱいのサイズが好きなんであり、愛しているわけで、別に大きさなんか気にしてないぞ?」
「うふふっ? それなら、私よりも大きな胸の女性をチラチラ視るのはやめてほしいところなのですわ? ツキトは私にバレてないと思うかも知れませんが、全部、お見通しなのですわ?」
うっ! そこを突かれるとは、俺も思っていなかったぜ。今度こそは、ばれないように色付き眼鏡でも購入を検討しておこうか。
「なあ、ジョウさんよ。強烈な光を発するモンスター相手に目潰しをされないように色付き眼鏡が欲しいんだが、いくらするんだ?」
「ぶひひっ。あれは視線がバレないようにも工夫できるなかなかの逸品デュフけど、やはり、視界が暗くなるために、モンスターとの戦闘では苦労すると購入者からは改善要望が来ているのデュフ」
「そうか。モンスターとの戦闘で視界が暗くなるのは、俺程度の実力だと致命的だなあ? うーーーん、でも、欲しいと言えば欲しいんだよなあ?」
「うふふっ? ツキト? いい加減にしないと、本当に
ぐっ! これもお見通しなのか! さすが我が愛する妻だぜ。俺の考えることなど、児戯に等しいって言うのか!
「なんで男のひとって、おっぱいがそんなに好きなのかなー? ジョウさんにだって、おっぱいがついてるんだから、ジョウさんのをじっくり眺めておけばいいのにねー?」
「おい、ユーリ。確かにジョウさんは体重が0.1トンあるから、胸だってふくよかかもしれん。だが、そんなもの視た日にゃ、俺やヒデヨシ、そしてゴマさんのいちもつが1カ月は起たなくなるから、ダメだ……」
「いっそのこと、ぼきっと折っちゃえば良いと思うけどねー?」
ぐっ! 娘にいちもつなど折れてしまえなんて言われる日がやってくるとは思いもしなかったぜ! 俺の心に100のダメージがっ!
「ウキキッ。話が横道にそれまくりなのです。そろそろ伝説のスクール水着の話に戻すのです。さあ、ユーリ殿。早くジョウさんのお店の試着室で着替えてくるのですよウキキッ!」
「えーーー! なんで、そんなにヒデヨシさんは、乗り気なのー? もしかして、あたしの水着姿がそんなに視たいのー?」
「ウキキッ? それほど期待してないですよ? ウキキッ」
ヒデヨシの一言にキレたユーリが思いっきり右のこぶしを振り上げて、ヒデヨシの左頬へと突き刺すのであった。おお、あれはキレイに決まったなあ。ユーリに格闘術も少しは教え込んでいる甲斐があったってもんだ。まあ、ヒト型モンスターなんてそれほど多いわけでもないから、素手による格闘術なんて、冒険者同士のいざこざ程度にしか使えないんだよなあ……。
さて、そんなことはどうでもいいとしてだ。問題は伝説のスクール水着だよな。ユーリがこの水着に使用者として認められた以上、24歳までは他の誰かに所有権が移るわけでもなさそうだし。まあ、この言い伝えも正しいかどうかが怪しいんだが。
なんたって、前の使用者が12歳だったもんな。そいつが24歳まで伝説のスクール水着の使用者だったならば、ジョウさんに最初に伝説のスクール水着を見せられた時に、あんな小さいサイズのわけがない。
「おい、ユーリ。とりあえず、着てみたらどうだ? アマノが魔力探査を行って、試着室に何か細工がなされていないか、確認するからさ?」
「うふふっ。私もジョウさんのお店の試着室を何度か利用させてもらっていますが、今のところ、何もなかったのですわ? まあ、それでも念には念を入れて、確認させてもらいますわ?」
と、アマノがそう言って、店の中にある試着室に行き、魔力探査を行うのであった。さすが、ジョウさんの店だぜ。まったくもって、アマノに信頼されてないことがわかる。
アマノはかれこれ5分ほどかけて念入りに何か細工されていないか、試着室の中を調べるのである。ふむふむ、ほうほうと言いながらアマノが調べるもんだから、もしかして、本当に何かあるのではないかと俺は冷や冷やしてしまうのである。
「ふう。終わりましたのですわ? さて、とりあえず、私が確認した限りでは、何かの細工らしきモノは見当たらなかったのですわ? ユーリ、安心して良いのですわ?」
「ううう。何かの細工うんぬんじゃなくて、気分的に嫌なんだよねー。ジョウさんの存在自体が
まあ、ユーリの気持ちもわからんでもない。なんたって、ジョウさんはドワーフ族でありながら、邪悪なオーラを身体に纏っているから、つい、【
「ぶひひっ。ツキト殿がまったくもって失礼なことを考えているのがわかるのデュフ。ぼくちんは、れっきとしたドワーフ族なのデュフ。禍々しい存在なのではないのデュフ!」
まあ、言うだけは
「ううう。覚悟を決めたよー。お父さんー、アマノさんー。ジョウさんとヒデヨシさんが、試着室に近寄れないように見張っておいてねー?」
「はいはい。わかってるぜ? さて、ジョウさん、ヒデヨシ。ここからが商談の始まりだ。試着室に10センチメートル近づくたびに銀貨1枚もらうぞ?」
「ウキキッ。では、銀貨20枚(※日本円で約2万円)を支払うのですウキキッ」
ヒデヨシがそういうと、財布を肩下げカバンから取りだして、その中から銀貨20枚をごそごそと漁りだすのである。こいつ、頭がおかしいんじゃねえの!?
「ぶひひっ。ヒデヨシ殿は迷いがなくてすごいのデュフ。ぼくちん、銀貨20枚をポンと出せるような勇気がないのデュフ」
「あのー? そろそろ、おまわりさんを呼んできたほうが良いのかゴマー?」
「うーーーん。俺としては冗談で言ったつもりなんだけど、まさか、銀貨20枚をポンと出してくるとは思わなかったわ。ぶっちゃけ、銀貨20枚あれば、遊女の館で1時間は遊べるよな?」
「ウキキッ。水着に着替えるオプションは別料金で銀貨5枚を取られるのですウキキッ。それに、こんなシチュエーションを頼もうなら、もう銀貨5枚を取られるのですウキキッ。だから、本番なしだけでも、そこに至る道ですでに、相当な銀貨を消費してしまうのですよ? ウキキッ!」
さすが、ヒデヨシだぜ。俺はアマノと付き合い始めてから、遊女の館に足を運ぶことは全く無くなったが、ヒデヨシは嫁さんいるのに、普通に遊女の館で遊んでやがるもんなあ。その辺りの最新情報は常に手に入れてやがるんだろう。
「おい、ユーリ。銀貨20枚をヒデヨシからもらっちまったんだけど、どうしたもんかな?」
「うーーーん。悩ましいところだよねー? そのお金で
「ウキキッ! ありがたき幸せなのです。これで服を脱ぐ時の布が擦れる音が聞こえるのです。やはり、いくら
本当に、ヒデヨシって最悪な性癖の持主だよな。確かに俺も最初からすっぽんぽんより、目の前で脱いでもらったり、脱がせたりは好きだぜ? でも、ヒデヨシは肌と布が擦れる音が聞きたいだもんな。俺って、いっそ、ヒデヨシを
「うふふっ。ヒデヨシさんは大概ですわ? さて、ユーリ? さっさと着替えてしまったほうが良いのですわ? ジョウさんにまで試着室に接近されたら、さすがに嫌でしょう?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます