第18話 神帝暦645年 7月22日
「おい。なんか、団長が修行僧の格好して、宿から出て行ったんだけど! なんだ? ついにとち狂ったのか?」
「うふふっ。だから、
「うっわー。団長が昨夜、これは美味しい水ですよ! 皆さんも飲んでください! はははっ! って変なハイテンションだったから、やばい薬でも併用してるのかなー? って心配してたら、そんな事情があったのかー。あたし、
神帝暦645年 7月22日 午前9時。団長はシャカ・サンソン教の放浪坊主のようなボロボロのオレンジ色の修業服を着て、俺たちが泊まっている宿から飛び出していったわけである。
「普通は、ちょっとお通じが良くなりすぎて、
「うーーーん。昨夜は、ウオッカを
「それで、今朝は1時間も
「おい、ユーリ。年頃の女性がおしっことか言う単語を使うんじゃない。そこはお花を摘みにいくとか、隠語を使うべきだ!」
「あと
「はーい。以後、気をつけますー。でも、おしっこはおしっこなのに、なんで女性はそんな面倒くさい隠語を使わなきゃダメなんだろー。これこそ、男尊女卑社会の闇そのものだよー」
「そこは、諦めろ。それで興奮する超弩級変態の男が世の中に存在するんだ。男ってのは、いつでもエロイことしか頭にないんだ。ユーリ、もし、お前が男性からお付き合いを申し込まれた時は、結婚するまで清いお付き合いしかしたくないのーって言ってみろ。それで、文句を言うような男なら、すぐにそいつから離れろ。物理的にだ。良いな?」
「うふふっ。まるで、ツキトが自分で自分を責めているように視えるのですわ? ですが、ツキトも男性ですからね。致し方ない部分があるのですわ」
「ま、まあ。アマノの前で言うのもなんだけど、俺も若い頃は、女性の中身より外見でえり好みしていたからなあ? どうも、男ってのは、歳を取らないと、女性を中身で判断することは難しいんだよなあ」
アレって何だろうな? 若い時分では、どうしても女性の顔やスタイルにばかり眼がいって、肝心の性格や価値観に関しては一切、考慮しないんだよな……。30歳を過ぎたころになってようやく、容姿以外の大切さに気付くようになるんだよなあ……。
「それはあなたが煩悩の塊だからですよ。ツキトくん」
「うおっ! 団長、戻ってきたのかよ! びっくりさせんじゃねえよっ!」
「
団長、ちょっと待て。ハレルヤは、オウ・ジーザス教だろうが。お前はなんで、シャカ・サンソン教に入信しておきながら、オウ・ジーザス教の言葉を大声で叫んでんだよ!
「あらあら。まだ、
「うーん。
「うふふっ。どうせなら、
「さすがに
「ねーねー。お父さんー。
「ああ、
「うん、知ってるー。お父さんがよくお酒の肴にしてるやつだよねー? あたしは煮ているのが好きだなー。ことこと醤油で味付けしたやつとかが特に好きだよー」
「うふふっ。
ちなみにオウ・ジーザス教では
「でだ。
「うふふっ。
「その巨大化した
「うーーーん。一応、クエストとしては貼りだされてはいるんだけど、誰があの
「だからこそ、
「ちなみに先生も1度、
ん? 団長らしくねえな。普通なら、はははっ! これで
「いやあ、本当に
ちなみに毒のバッドステータスにも種類があり、猛毒ともなると
「ふーん。A級冒険者の団長でも無理なのかー。ところで、
ユーリが団長に
「確か、金貨5枚(※日本円として約50万円)と言ったところでしょうか? 汚水まみれになってまで討伐するほどのモノではありませんからね。だから、やめたと言うことですよ」
A級冒険者にとって、金貨5枚はハシタ金なのだ。くっそ。ふざけやがって! C級冒険者の俺にとっては、1年の収入の約6分の1に匹敵するっていうのにな!
「まあ、そのうち、挑戦者が現れるんじゃねえの? 金貨5枚ならE級冒険者の約半年分の収入だからなあ。
「うーーーん。あたしのモンスター初狩りの相手としては報奨金的にはよさそうな気がするんだけどなー。D級冒険者になったのに、一度もモンスターを退治したり、クエストをクリアしたことがないってのは、まるでペーパー冒険者みたいで嫌なんだよねー」
「そうは言っても、最近、ペーパーD級冒険者は増加傾向にありますからねえ。他の
「その代り、D級のクセに満足に闘いも出来ない奴が増えたけどな。叩きあげのE級からD級に上がった奴と、ペーパーD級じゃ雲泥の差だしなあ。まあ、別にE級のやつらも好き好んで、苦労したかったわけじゃあないがな」
「んー? どういうことー? お父さん、何か含みがあるような言い方だよー?」
「えっとだな。
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