あとがき

プラトンの洞窟

僕は今、流行りの最新ゲームで

遊んでる。

確かに楽しいんだけど、何故か心の

どこかが物足りないことが時々あるんだ。


僕はそんなとき、こう思う。

たった一度の大切な人生それだけじゃ

もったいないかなってね。

夜の星空はもちろんありふれた日常の中にでさえ、

誰もが遠い記憶の奥底で無意識に覚えている、見えない心と大宇宙の繋がりがある。


その「みえないかたち」を

科学の視点と自分の感受性を惜しみ無く使って観測してみるのも面白いかなってね。

僕はそう思うんだ。


あ、そうそう。

これは愛理栖に聞いた話なんだけど、

この前不思議な夢を見たらしい。


愛理栖はその夢の中で自分にそっくりな

女の子が現れてこう言われたらしいんだ。


 『ねえ、愛理栖?

とき〟や〝こころ〟、そして〝いのち〟、

普段何気なく使うそれらの正体をあなたは言える?

 その正体っていうのはね、

絶えず生まれては消えていく数えきれないくらいのたくさんの宇宙の中で、

偶然にもあなた達の宇宙に起こった

ある〝特別な性質〟そのものなのよ。


 そのある特別な性質というのはね、

秩序立っているはずの均一な高温の素粒子の空間にほとんど無視できる程の小さな濃度のムラが生まれたということ。

 

 そんなほんのわずかなムラの影響から、

空間を満たす素粒子は密度の薄い部分から濃い部分へと次第に移動し集まった。

 そして様々な物理現象が加わることでうねりが生まれ、そのようにして生まれた回転の渦から

秩序立った均一な空間のあらゆるものがかき混ぜられ 、

その中で様々な秩序ある配置が確立のルールに従いながら無数の無秩序な配置へと向かっていくようになったの。

 

 そう、つまりその動きこそが宇宙の根本原理、《ダルマ》……』





あとさ、こんなことも言われたいたらしいんだ。


宇宙、時間、進化、歴史、文化、

人と人の絆、そして『こころ』。

他にも沢山。

それらの本質はシンプルなたった一つ。

だけど、それらはひとまとめにはできない。

僕達人間一人一人が認知している守備範囲はそのほんの少しずつだけなのだから。

しかし、だからこそ言えることがある。

無限にある存在の一つ一つには、その数だけ違う視え方をする世界がある。


生きるということ。

それはある視点と違う視点との

関わりの連鎖反応……。


inverse discrete Fourier transform



一一世界はみえないかたちでできている一一


僕たちは人それぞれに見え方の違う先入観の色眼鏡で世界をみてしまっている。

だから、何が正しいのかとついつい意見が対立してしまう。


相手の視点を認め、

助けあって創る世界こそが人生じゃないかな?












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