ヤバいのが来ますよ
コンスタンティア・エリントン。
ブリギッテ・シェーンベルク。
エイドリアン・メルケル。
リーネ。
そいつらが活躍する中、
そして、化生共の相手をしつつ空を見上げる。
「……」
その表情が険しくなっていた。
「ガンシップが落とされ、戦車隊も壊滅。ヤバいのが来ますよこれは」
私の近くに来た時、視線は向けずにそう告げる。
「だろうな……」
私もそれは感じていた。もしこの後、ヘリなりなんなりが来なければそれこそヤバいだろう。下手をすれば本当に戦術核ぐらい使いかねない。ロヴォネ=レムゥセヘエみたいなデカブツまで出てきたからな。
無論、私には核兵器など通じない。物理干渉を一切拒否してやれば、低温花火を浴びるほどのダメージもない。モニターで映像を見ているよりは臨場感があるという程度のものだ。
しかし市野正一をはじめとした<影>共やナハトムはひとたまりもないだろう。さすがにそこまでの防御力はない。
と思ったら、来たよ。爆撃機だ。それも、<戦略爆撃機>という奴だ。
「むう……爆撃機をよこしたか……」
しかし、戦術核をぶち込むつもりならそれこそトマホークミサイルで十分だろうし、戦闘機でさえ核ミサイルは搭載できる。にも拘わらず爆撃機が登場したとなると、投下型の爆弾だろうな。
サーモバリックかMOABか。先にも言ったがどちらも通常兵器では最強クラスの破壊力殺傷能力を持つ、馬鹿でかい爆弾だ。
人間共め、丸ごと焼き払うつもりか。
まあ無理もないか。こんな訳の分からん怪物どころか<怪獣>まで出てきたのでは、多少の犠牲を払ってでも早々に片を付けたいと考えるのも無理からぬことだ。このまま戦力を小出しにしていって各個撃破されるなどというのはそれこそ愚か者のすることだ。この時点で使用可能な最大戦力で一気にというのはむしろ当然の判断だろう。
そしてそのどちらであっても、そのままでは影共もナハトムも無事では済まん。私が何らかの対処をしてやらねばならんだろう。
だがその時私は、それ以上に別のことが気になっていた。
『ここまで騒ぎを大きくしてロヴォネ=レムゥセヘエ級の奴まで寄越しながら、何故サタニキール=ヴェルナギュアヌェはいまだに姿を現さん? これじゃまるで私をここに釘付けに―――――』
そう思った瞬間、私の頭に閃くものがあったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます