死後証明のハードプロブレム

イントロダクション

『時間の正体とは?』


ペンローズは言う。

意識は脳内の特殊なたんぱく質が引き起こす

波動関数の収束であると。


また、『時間の正体』についても彼は触れている。

過去から未来への時間の矢を生み出している根本的要因には『光』が関係しているのではないかと。

そして、その一方通行の時間の矢を僕達が感じることが出来る理由は、先程の波動関数の収束がまるでノートの隅に書いたパラパラ漫画の様に過去から未来方向に連続的に起こっているからであると。


本題

死後の意識はどうなるのか?

僕の意見としては死んで肉体が消滅したら何も感じないだ。

ただ、それだとSFに使う題材として全く面白味が無いので物理学者マットロフの

『原意識』というテーマについて考えてみた。

彼曰く、宇宙には始まりのビッグバンから今に至るまでずっと巨大な『原意識』が存在するという。

人間の“意識”は個々の肉体だけに閉ざされた存在ではなく、インターネットクラウドコンピューティングのように大宇宙にと接続しているらしい。

なにも人間のような有機体の生物だけがつながっているわけではなく、

ありとあるあらゆる物質がつながっているそうだ。

それが何故死後の意識と関係があるのか?

そこが僕にはよく理解できない。

ただ、肉体の完全消滅によって一見滅びたようにみえる脳を初めとする身体は全て量子から出来ているのだから、その無数の量子に対応する異空間の見えない量子と量子もつれでつながっているとしたら、

異空間の量子は生き残り意識は保存されるというのだろうか?

仮に百歩譲ってそうだとしたら、

ドイツの哲学者ニーチェが説いた『永劫回帰』のように宇宙空間にバラバラに散らばった量子情報が寸分違わず集れば、同じ自分が生まれるのだろうか?

いいや、もしかしたら同じ自分だけではなく

僕達の所属する膜宇宙全体の規模で因果率が矛盾しそうになる度に、ピコ秒単位で途方もない無限に近い回数生死を繰り返しているのではなかろうか?

そして、そんな意識の強制リセットを繰り返しながら、何度も何度も気付かない内に全く同じ人生を僕達は送っているのだろうか?

今の僕は何回目の僕なのだろうか?

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