イリヤの空、UFOの夏

作者 秋山瑞人/電撃文庫

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★★★ Excellent!!!

セカイ系作品の金字塔でもあり、涼宮ハルヒと並ぶライトノベル史上最高傑作と私は思っています。
初めてこの作品を読んだときに深い感銘を受けましたし、たぶん多くの方がこの作品の影響を受けたことではないでしょうか。
それが今こうしてカクヨムで読むことができるなんて、感謝してもしきれません。

★★★ Excellent!!!

 人生とは思うにまかせぬものだ。子どものころに「当然将来得られるだろう」と思っていた幸せを、未だにつかめずにいたりする。それでも自分の人生悪くなかったなと思えるのは、この小説と出会えたから。
 大学で新聞部に入ったり(*ふつうの学生新聞)、今は文章を書く仕事をしていたりするのも、確実に影響を受けたからだと思う。もしイリヤを読んでいなかったら、たぶん全然違う人生を歩んでいたのかもしれないし、なんならそっちの方が客観的には幸せになれたかもしれない。しかしそんな人生に魅力はない。
 最近はやりの異世界転生には興味ないけど、過去の記憶を全消去してもう一回最初からイリヤを読めればいいなあとは思う。それぐらい好き。大好き。

★★★ Excellent!!!

数年前、初めてイリヤを読んだとき、衝撃だった。小説4巻すべて買いそろえた。あまりに衝撃的過ぎて、アニメもTSUTAYAで一気借りした。

この作品には「少年の夏」の成分がすべて凝縮されている。馬鹿らしくて、不器用で、繊細で、切ない。この作品を読むと、イリヤがいる夏がただただ愛おしくてたまらない気持ちになる。
「セカイ系」「SF」好きなら、絶対に読むべき作品だ。

★★★ Excellent!!!

 今時、セカイ系なんて言葉は死語なのだろうか。スマートフォンがあれば片手でいつでも気軽にセカイとつながることができる現代において、『君』と『僕』の関係のみで紡がれるセカイは、価値がないのだろうか。

 ツイッターなどで見られる一ページものの漫画などは、『君』と『僕』の距離で語られ、登場人物らしいものが二人しか出てこない類の内容が三桁、四桁リツイートやいいねを押されている。つまり、その他を排した関係で築かれる二人だけの物語は手軽で読みやすく、未だ支持は熱いはずなのだ。

 にも関わらず、セカイ系という物語の文脈は、当時よりもなりを潜めているように感じる。多種化多様化された現代のメディアの存在によってセカイ系は分散され、十対一比率のカルピスのごとく、なんとも薄味になってしまったと考えるのはセカイ系に愛を持ちすぎた視点だろうか。

 ひょっとすると、自意識のこじらせも、世界の命運が握られた物語も、テンプレにされ属性に区分されハッシュタグなんてつけられて呟かれ、『セカイ系』なんて屋号をつけるのが恥ずかしいくらい『軽く』なったのかもしれない。手軽さ、気軽さは、より多くの娯楽を若い世代に分け与えるが、もしもそうだとするならば、私が『イリヤの空、UFOの夏』に感じた、あの「切ない」とも「爽やか」とも「どうしようもない」とも形容しがたい物語は、濃度が高く、重いと一蹴されるのかもしれない。

 
 レビューとは、その作品や作者の良さについて語り、読者に作品を見てもらうために書くものだ。なら、私は薄さや軽さをねじ伏せるために、この濃くて、凶器にもなりかねない重い気持ちをもって、レビューしなければならない。

 なぜならこの『イリヤの空、UFOの夏』は私の生涯一大好きなライトノベルだからだ。なんなら私の人生を変えてしまったほどの、である。私の人生はイリヤ前、イリヤ後に分けられる。私は、今、イリ… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

最初は別の作品を読む為にこのアプリを入れた。たまたま目についたこの作品が気になりレビューを読んだところ、この作品は文が素晴らしいとかボーイ・ミーツ・ガールの金字塔とかと批判コメなんてどこにもなくみんな口を揃えて褒めていた。更に興味が湧き実際読んでみるとアホほど面白い!本当の目的であった作品なんて目もくれず黙々と読み進めた。最後まで読み終わってみるとすぐにAmazonで買うほどハマっていた。ぜひ読んで欲しい。たしかに作品としては古く、今の様に強く萌えという物ではないが引き込まれる内容と物語の伏せんは素晴らしいと思う。また、ライトノベルを毛嫌いしてる人に是非とも読んで欲しい作品だとも思った。読みそして見方を変えて欲しい!最後にこの作品を読み終えたら著者の別作品も読んでみようと思う。きっと素晴らしい作品ばかりなのだろう

★★★ Excellent!!!

イリヤの空に深い感銘を受けて、他にも色々な人の色々な作品に触れるようになって、そしてたくさんの感動を味わってもやっぱりこの作品を初めて読み終えたときのあの感じを味わうことはできなくて。
気付けば初めてイリヤの空を読んだときから六年ほどが過ぎていて、そのときには自分もシナリオを考える仕事に就いていました。

ひとつの仕事が終わる度にイリヤの空を読み直すのは私にとって儀式のようなもので、作品に触れることが半ば義務のようになってしまった今でも、イリヤの空を読むときだけは、純粋な一読者に戻れたような気がするんです。それはきっと、私にとってこの作品は越えられない壁――つまり「原点」だからなのでしょう。

レビューというよりはただの回顧録もどきのような内容になってしまいましたが、私にとっての「イリヤの空、UFOの夏」という作品は、「斯く」存在であるとご納得いただければと存じます。

★★★ Excellent!!!

私はこの小説が大好きです(私は何も知らずに読んだ方が小説を楽しめると思っているので、内容には深く触れません。このレビューは読まなくても良いかも(汗

読み終わった直後に、私は小説ってこんなにも面白いモノなんだと初めて知りました。
その後に様々な小説を(ラノベに関わらず)読みまくりましたが、この小説を超えるモノには出会えませんでした。

そして、この小説を超える物語を見つけられなかった私は「ないなら、自分で書けば良いんじゃないか?」という身の程知らずな理由で物語を書き始めました。

小説や読書感想文が大の苦手だった私に、小説を書きたいとまで思わせた物語です。

少しでも興味があれば、是非読んでください。

★★★ Excellent!!!

こんなにも凄まじい文章を書く人がいるのか、というのが刊行当時に受けた衝撃だった。

筋は王道のボーイミーツガールだ。田舎の中学校に通う浅羽直之のクラスに、ミステリアスな女の子・伊里野加奈が転校してくる。伊里野の背後には軍隊の影がちらつき、エキセントリックな新聞部の先輩・水前寺や、クラスメイトの晶穂をも巻き込んで「UFOの夏」が幕を開ける……という内容。よくありそうに思える。

ところが、その物語を紡ぎ出す文章が、異様な引力をもってこちらの脳ミソを引きつけてくる。
夜のプールの水面。鳴き続けるセミの声。教室で繰り広げられるクラスメイトたちの馬鹿話。スクーターの上で感じる風。学園祭の喧噪。マイム・マイム。戦闘機のアフターバーナーの爆音。中華料理の油の臭い。猫の鳴き声。パトカーのサイレン。屋根の上でつつくラーメン。夕暮れと潮の匂い。
これでもか、という密度で、その場の空気感を詰め込んだ描写が繰り出される。
秋山瑞人の文章に触れる読者は想像力を使わなくていい。そんなことをしなくても、読むだけで情景がありありと浮かんでくるからだ。しっかりと五感を伴って。
こんなことができる作家は他にいない、と確信をもって言える。

傑作です。

……ところで先生、EGFとかDB3とかはまだなんでしょうか……。

★★★ Excellent!!!

白い手を引いて夏の道を歩いた。南を目指したのは、死に逝く夏を追いかけようとしていたからだ 。
――『イリヤの空、UFOの夏 その4』275P


夜の校舎のかびっぽい匂い。塩素の突くような匂い。セミの死体のかすかに香ばしい匂い。バス停の鉄臭い匂い。夕焼けに炙られた丘の上の草っぱらの匂い。中華飯店の汗と油の匂い。線路の間に敷き詰められた砂利から香る土と砂の匂い。遠い遠い海の匂い。すべての夏の匂い。文章で書かれているはずなのに、どうしてそんなものを確かに感じるのでしょうか。

ご存知の通り、文章という形式には、魔法が秘められています。他のどのような表現形式にも代えることの出来ない、とびきりの魔法が。

「俺が死んだらこの作品を墓に入れてくれ」
カクヨムでの掲載というニュースを聞いて、今も交友の続いている友人がかつてそう言ったことを思い出しました。この作品とは無論、『イリヤの空、UFOの夏』のことです。もう10年以上前の出来事です。

彼に「今でも『イリヤの空』を墓に入れてほしいか」と尋ねました。彼はにやっとして、それから30を迎えた成人男性とは思えないほど、きらきらした眼で、こう答えました。
「あたりまえじゃないか」と。

秋山瑞人は、21世紀の日本で、最高の魔法使いです。
僕は今でもそう認識しています。

★★★ Excellent!!!

キャラよし。セリフよし。ストーリーよし。構成よし。描写よし。残心よし。悪いところなんてほぼないですけど、あえて言うなら題名かな。
話が飛んじゃいますが、ドラゴンバスターの続きじゃなくてもいい。ミナミノミナミノの続きじゃなくてもいい。次の新作が出れば絶対に買う。10年後忘れた頃に新作を出しても買う。出たときお金がなかっても友達に借りてでも買う。無論有休取って会社休んでまで買いに行く。そして2日ぐらいかけてじっくり読む。セミのいるところで。どうかこれが復活フラグでありますようにー。

★★★ Excellent!!!


 凄いんですよね、何が凄いかっていうと、この小説は読んでると夏になるんですよ。
 あっちーなーと思いながら見る気もないテレビつけて、Tシャツでパンツ一丁であぐらかいて、セミは今よりたくさんいてミンミン鳴いてるし、カレンダー見たらもうちょっとでお婆ちゃん家に行くなとか、そわそわするんだけど別に廊下に誰もいないのになんか気になるなあとか、あの当時、今よりずっとのんびりしてた頃の夏があるんですよね。

 この独特な雰囲気というか、決して言葉では表現できないはずの気配みたいなものを、文章の連続した繋がりの中で構成してしまう。
 何か一つでもパーツを抜いたらジャラジャラと崩れ落ちて、他人が触ったらただのガラクタになってしまう。
 そんな繊細で高精度な文章構成力のあった人で、イリヤの空以外にも『猫の地球儀』とか『E.G.コンバット』とか、他の誰にも真似できない作品をたくさん書いてくれた人でした。

 当時、イリヤの空の1巻が発売された頃、私は中学1年生で読み終わってすぐ2巻を買いに書店へ走りました。本当に走ったというか、背伸びしながらどこやねんどこやねんと棚をうろつき回っていたのを思い出します。
 だから、結構、古い小説なんですよね。
 なので、今の中学生の人とかが読んで、親近感を覚えるかな? という懸念をまず思いました。スマホとかもないし。

 今の夏っていうと、冷房ガンガンで自分で注いだコーラ飲みながらノイズキャンセリングのヘッドホンでYouTube見たりモンハンやったり。
 あの頃の夏とはずいぶん様変わりしました。
 昔は好きなものを心の中に秘めっぱなしで、誰かとネットで共有したりなんて簡単にはできない時代でした。パソコン持ってなかったし。
 もちろんたくさんの人に読んでほしい物語ではあるんですけど、押しつけられて読むような本じゃないかなとも思います。
 今の小説みたいに「こ… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

 中学一年生だった僕はこれを読んで、大きな衝撃を受けた。
 
 情緒感溢れる文体によって紡がれる一夏の物語に、時には笑い、時には胸を締め付けられた。
 
 とにかく、ページを捲る手が止まらなかった。

 休み時間終了のチャイムが鳴るたび、残念な気持ちになったものだ。
 授業中だって、続きが読みたくて苛々していた思い出がある。

 それくらい、読者を物語に引きこむパワーが本作にあると思う。

 本作を読み終えると、僕は「秋山瑞人」の名前を求めて本屋へと向かった。そうして、他の作品群を読み漁り読書の世界へ浸って、気がつけば、とっくの前に氏のファンの一人となっていた。

 こんなに素晴らしい作品が、今になって、このサイトを通して多くの方に知られるのは、ファンの一人として純粋にうれしいことだと思う。

 確かに、これは一昔前のライトノベルだ。しかし、同時に本作は、決して色褪せることのない、読み継がれるべき永遠の名作だ。


 どこかで聞いたことがあるな、と思う方も、たまたまこのページに来た方も、未読の方は、ぜひとも読んで欲しい。
 
 

★★★ Excellent!!!

この小説に憧れて、物語を書き続けてきたところがあります。
オマージュ元の妖精作戦に遡ったりも。

中学生だったころの無自覚な万能感と
それでも「なんでも」はできない無力感。
倦怠の続く退屈な日常の中、
みんなと違う特別な何者かになりたかったあの日々。

ぜひ浅羽と、そして伊里野と一緒に、中学生だったあの日の日常を送ってほしい。願わくば最後まで走り抜けて。

★★★ Excellent!!!

だから、自分も読もうと決めた。

自分はライトノベルにはあまり食指が伸びないものだから、巷に聞く『ソードアートオンライン』だとか、『この素晴らしい世界に祝福を!』だとかはさっぱり分からない。
しかし、ここまで評価される『イリヤの空、UFOの夏』とはなんぞや、と前から興味を持っていた。

その矢先にこれだ。

正直、皆が言うこのライトノベルの素晴らしさが、今の中高生の自分に理解し得るかは分からない。
しかし、それは読まなければ分からないのだ。
この話を読み終えたとき、この小説が自分の本棚に収まっていたら、面白いなと思う。

だから、自分も読もうと決めた。

★★★ Excellent!!!

カクヨムに訪れてこうしてレビューを読んでいるということは、つまりは面白い小説を探そうという意志が人よりも強いと見受けられるが、
すなわち。
こうしてなんの因果かこの『イリヤの空、UFOの夏』のページを開いたことは貴方の小説人生においてとてつもないラッキーと言えるだろう。

イリヤの空は面白い。
それもそんじょそこらの面白さじゃない。

小説なんて意味もない娯楽の有象無象の一つだと斜に構えてみせた一介の高校生を徹底的に破壊つくし、ライトノベルを絵のついたオシャレなキャラクター小説だと小馬鹿にした精神を一度の読書体験で打ち崩してしまった。

つまりは俺のことなのだが。

小説を長年読んできた方には分かると思うが、時折とんでもない化物がこの世界には潜んでいると気づくときがあると思う。とんでもなく面白いというか、面白いという言葉の物差しの狭さを痛感するというか、なんというか、とんでもないのに出会っちまったなと言う類の小説に。

イリヤの空はその類のハイエンドだ。

本小説が最終巻までカクヨムで掲載されるのかは分からないが、どうか最後までイリヤと浅羽の物語を追いかけてみてもらいたい。

ボーイミーツガールと呼ぶにはあまりに鮮烈で、セカイ系と例えるにはあまりにシニカルな、青春の夏の物語がそこには広がっているのだから。

※こうしてイリヤの空が掲載されて人気を呼ぶことで、巡りめぐってデストロイの季節がやってきたりしたら嬉しいですね。

★★★ Excellent!!!

導入部分はこうあるべき、というお手本のようなプロローグ(これを書いた時点で、一話しか読んでません)。
上から目線で恐縮ですが、「なるほどなぁ」と納得しました。
いつもいつも、導入で読み捨ててしまう自分が、最後の一句まで読んでしまった、読まされたのは何故か……。
同じくプロ作家を目指される人なら、ぜひとも分析対象にしてほしいと思います。
蛇足ですが、もはやこんな視点を持ってしまうと純粋に物語を楽しめなくなってて、ちょっと勿体無い(苦笑)

★★★ Excellent!!!

名前は知ってる。何度も聞く。けれど一度も読んだことがない。
その代表作が『イリヤの空、UFOの夏』なんじゃないかしら。

一五年以上前の作品で古そう。タイトルが硬い。
そんな理由で食わず嫌いしてない? 何を隠そう、あたし自身がそうだったわ。

でもそれって勿体無いんじゃないかしら。
十数年にもわたって読み継がれてきた名作を読まないだなんて、せっかく目の前に開かれた新しい世界への扉を無視してるのと同じだわ。

こうしてネットで手軽に読める今こそ、古典の素晴らしさに触れる絶好の機会なんじゃないかしら。

★★★ Excellent!!!

学校の裏山、むっとする草いきれ、夜の学校のプール、UFOを追いかけていつまでも続きそうだった夏休み。そして、美少女に出会う。
体験してみたい、みたかった青春のひとコマ。そこから始まる冒険譚。

中学生・高校生だったら是非とも、そして未読の大学生・社会人の皆さんもこの機会に、触れて欲しいライトノベルの素晴らしさ。