イリヤの空、UFOの夏/平日毎日更新!

作者 秋山瑞人/電撃文庫

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★★★ Excellent!!!

白い手を引いて夏の道を歩いた。南を目指したのは、死に逝く夏を追いかけようとしていたからだ 。
――『イリヤの空、UFOの夏 その4』275P


夜の校舎のかびっぽい匂い。塩素の突くような匂い。セミの死体のかすかに香ばしい匂い。バス停の鉄臭い匂い。夕焼けに炙られた丘の上の草っぱらの匂い。中華飯店の汗と油の匂い。線路の間に敷き詰められた砂利から香る土と砂の匂い。遠い遠い海の匂い。すべての夏の匂い。文章で書かれているはずなのに、どうしてそんなものを確かに感じるのでしょうか。

ご存知の通り、文章という形式には、魔法が秘められています。他のどのような表現形式にも代えることの出来ない、とびきりの魔法が。

「俺が死んだらこの作品を墓に入れてくれ」
カクヨムでの掲載というニュースを聞いて、今も交友の続いている友人がかつてそう言ったことを思い出しました。この作品とは無論、『イリヤの空、UFOの夏』のことです。もう10年以上前の出来事です。

彼に「今でも『イリヤの空』を墓に入れてほしいか」と尋ねました。彼はにやっとして、それから30を迎えた成人男性とは思えないほど、きらきらした眼で、こう答えました。
「あたりまえじゃないか」と。

秋山瑞人は、21世紀の日本で、最高の魔法使いです。
僕は今でもそう認識しています。

★★★ Excellent!!!

キャラよし。セリフよし。ストーリーよし。構成よし。描写よし。残心よし。悪いところなんてほぼないですけど、あえて言うなら題名かな。
話が飛んじゃいますが、ドラゴンバスターの続きじゃなくてもいい。ミナミノミナミノの続きじゃなくてもいい。次の新作が出れば絶対に買う。10年後忘れた頃に新作を出しても買う。出たときお金がなかっても友達に借りてでも買う。無論有休取って会社休んでまで買いに行く。そして2日ぐらいかけてじっくり読む。セミのいるところで。どうかこれが復活フラグでありますようにー。

★★★ Excellent!!!


 凄いんですよね、何が凄いかっていうと、この小説は読んでると夏になるんですよ。
 あっちーなーと思いながら見る気もないテレビつけて、Tシャツでパンツ一丁であぐらかいて、セミは今よりたくさんいてミンミン鳴いてるし、カレンダー見たらもうちょっとでお婆ちゃん家に行くなとか、そわそわするんだけど別に廊下に誰もいないのになんか気になるなあとか、あの当時、今よりずっとのんびりしてた頃の夏があるんですよね。

 この独特な雰囲気というか、決して言葉では表現できないはずの気配みたいなものを、文章の連続した繋がりの中で構成してしまう。
 何か一つでもパーツを抜いたらジャラジャラと崩れ落ちて、他人が触ったらただのガラクタになってしまう。
 そんな繊細で高精度な文章構成力のあった人で、イリヤの空以外にも『猫の地球儀』とか『E.G.コンバット』とか、他の誰にも真似できない作品をたくさん書いてくれた人でした。

 当時、イリヤの空の1巻が発売された頃、私は中学1年生で読み終わってすぐ2巻を買いに書店へ走りました。本当に走ったというか、背伸びしながらどこやねんどこやねんと棚をうろつき回っていたのを思い出します。
 だから、結構、古い小説なんですよね。
 なので、今の中学生の人とかが読んで、親近感を覚えるかな? という懸念をまず思いました。スマホとかもないし。

 今の夏っていうと、冷房ガンガンで自分で注いだコーラ飲みながらノイズキャンセリングのヘッドホンでYouTube見たりモンハンやったり。
 あの頃の夏とはずいぶん様変わりしました。
 昔は好きなものを心の中に秘めっぱなしで、誰かとネットで共有したりなんて簡単にはできない時代でした。パソコン持ってなかったし。
 もちろんたくさんの人に読んでほしい物語ではあるんですけど、押しつけられて読むような本じゃないかなとも思います。
 今の小説みたいに「こ… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

 中学一年生だった僕はこれを読んで、大きな衝撃を受けた。
 
 情緒感溢れる文体によって紡がれる一夏の物語に、時には笑い、時には胸を締め付けられた。
 
 とにかく、ページを捲る手が止まらなかった。

 休み時間終了のチャイムが鳴るたび、残念な気持ちになったものだ。
 授業中だって、続きが読みたくて苛々していた思い出がある。

 それくらい、読者を物語に引きこむパワーが本作にあると思う。

 本作を読み終えると、僕は「秋山瑞人」の名前を求めて本屋へと向かった。そうして、他の作品群を読み漁り読書の世界へ浸って、気がつけば、とっくの前に氏のファンの一人となっていた。

 こんなに素晴らしい作品が、今になって、このサイトを通して多くの方に知られるのは、ファンの一人として純粋にうれしいことだと思う。

 確かに、これは一昔前のライトノベルだ。しかし、同時に本作は、決して色褪せることのない、読み継がれるべき永遠の名作だ。


 どこかで聞いたことがあるな、と思う方も、たまたまこのページに来た方も、未読の方は、ぜひとも読んで欲しい。
 
 

★★★ Excellent!!!

この小説に憧れて、物語を書き続けてきたところがあります。
オマージュ元の妖精作戦に遡ったりも。

中学生だったころの無自覚な万能感と
それでも「なんでも」はできない無力感。
倦怠の続く退屈な日常の中、
みんなと違う特別な何者かになりたかったあの日々。

ぜひ浅羽と、そして伊里野と一緒に、中学生だったあの日の日常を送ってほしい。願わくば最後まで走り抜けて。

★★★ Excellent!!!

だから、自分も読もうと決めた。

自分はライトノベルにはあまり食指が伸びないものだから、巷に聞く『ソードアートオンライン』だとか、『この素晴らしい世界に祝福を!』だとかはさっぱり分からない。
しかし、ここまで評価される『イリヤの空、UFOの夏』とはなんぞや、と前から興味を持っていた。

その矢先にこれだ。

正直、皆が言うこのライトノベルの素晴らしさが、今の中高生の自分に理解し得るかは分からない。
しかし、それは読まなければ分からないのだ。
この話を読み終えたとき、この小説が自分の本棚に収まっていたら、面白いなと思う。

だから、自分も読もうと決めた。

★★★ Excellent!!!

カクヨムに訪れてこうしてレビューを読んでいるということは、つまりは面白い小説を探そうという意志が人よりも強いと見受けられるが、
すなわち。
こうしてなんの因果かこの『イリヤの空、UFOの夏』のページを開いたことは貴方の小説人生においてとてつもないラッキーと言えるだろう。

イリヤの空は面白い。
それもそんじょそこらの面白さじゃない。

小説なんて意味もない娯楽の有象無象の一つだと斜に構えてみせた一介の高校生を徹底的に破壊つくし、ライトノベルを絵のついたオシャレなキャラクター小説だと小馬鹿にした精神を一度の読書体験で打ち崩してしまった。

つまりは俺のことなのだが。

小説を長年読んできた方には分かると思うが、時折とんでもない化物がこの世界には潜んでいると気づくときがあると思う。とんでもなく面白いというか、面白いという言葉の物差しの狭さを痛感するというか、なんというか、とんでもないのに出会っちまったなと言う類の小説に。

イリヤの空はその類のハイエンドだ。

本小説が最終巻までカクヨムで掲載されるのかは分からないが、どうか最後までイリヤと浅羽の物語を追いかけてみてもらいたい。

ボーイミーツガールと呼ぶにはあまりに鮮烈で、セカイ系と例えるにはあまりにシニカルな、青春の夏の物語がそこには広がっているのだから。

※こうしてイリヤの空が掲載されて人気を呼ぶことで、巡りめぐってデストロイの季節がやってきたりしたら嬉しいですね。

★★★ Excellent!!!

導入部分はこうあるべき、というお手本のようなプロローグ(これを書いた時点で、一話しか読んでません)。
上から目線で恐縮ですが、「なるほどなぁ」と納得しました。
いつもいつも、導入で読み捨ててしまう自分が、最後の一句まで読んでしまった、読まされたのは何故か……。
同じくプロ作家を目指される人なら、ぜひとも分析対象にしてほしいと思います。
蛇足ですが、もはやこんな視点を持ってしまうと純粋に物語を楽しめなくなってて、ちょっと勿体無い(苦笑)

★★★ Excellent!!!

名前は知ってる。何度も聞く。けれど一度も読んだことがない。
その代表作が『イリヤの空、UFOの夏』なんじゃないかしら。

一五年以上前の作品で古そう。タイトルが硬い。
そんな理由で食わず嫌いしてない? 何を隠そう、あたし自身がそうだったわ。

でもそれって勿体無いんじゃないかしら。
十数年にもわたって読み継がれてきた名作を読まないだなんて、せっかく目の前に開かれた新しい世界への扉を無視してるのと同じだわ。

こうしてネットで手軽に読める今こそ、古典の素晴らしさに触れる絶好の機会なんじゃないかしら。

★★★ Excellent!!!

学校の裏山、むっとする草いきれ、夜の学校のプール、UFOを追いかけていつまでも続きそうだった夏休み。そして、美少女に出会う。
体験してみたい、みたかった青春のひとコマ。そこから始まる冒険譚。

中学生・高校生だったら是非とも、そして未読の大学生・社会人の皆さんもこの機会に、触れて欲しいライトノベルの素晴らしさ。