6分の2

作者 森山智仁

165

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★★★ Excellent!!!

「命の平等とは何か」
シンプルな問いですが、作中では多角的に描かれています。艦長の決断は果たして正しかったのか。正しさ自体存在していたのか。
臨場感溢れる説明、生きる欲望と責任の間で揺れ動く艦長、そして乗客たちの真意。根源的な問いを少しずつ解剖していくような、素晴らしい作品でした。

★★★ Excellent!!!

本作の状況は至ってシンプル。
舞台となるのは難破した宇宙船。搭乗するのは艦長と5人の乗客と一体のヒューマノイド。用意されている脱出ポッドは2人分のみ。残された酸素の残量はおよそ半日分。この中で誰が生き残るべきか?

最初は平等にくじで決めようとする艦長ですが、このくじに自分を入れていいのかということで悩むし、さらにこの事実を乗客に明かしたところ、その内の一人が、「では、もし私が当選したら、艦長、あなたに権利をお譲りします」と言い出して……。

シンプルな設定の短編だけに作者がキャッチにしている「命には優劣があるだろうか」というテーマが引き立つ内容になっていますが、本作が優れているのはそれだけではありません。
終盤で明かされる意外な新情報に、そこから展開されるちょっと捻ったオチが実に秀逸。

艦長が下した結論は本当に正しかったのか?

読み終わった後はこのラストについて考えてみると面白いかもしれません。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)

★★★ Excellent!!!

"冷たい方程式"を御存知の方には、その一言で理解頂けると思う。御存知ない方は…、まずはWikipediaで調べて下さい。SF短編小説の金字塔なんです。それに挑んだ作者の心意気に喝采を送りたい。
原作(と言う表現は間違いだが)は冷徹な宇宙の真理を前にして唯一の答えが結論に控えているのだが、本作の結論には???が控えている。作品が破綻していると言う意味じゃなくて、そう言う展開なんです。読者は「結局?」との疑問に囚われ、作者に弄ばれることだろう。
短編にはMAX2つが信条なんですが、3つ付けました。