第73話・一年D組、影の支配者
彼は今まで、波乱万丈な人生とはほぼ無縁な地域で暮らしてきた。金銭的に余裕のない今井家、両親は息子のために働きに出たのだ。ギリギリ進学出来たのが、不良の巣窟で暗黒街の者達の支配下にあると言っても差し支えない、亜型や魔物が
「あ…えーと、僕の両親は…二人で赴任してて居なくて、中心部の下宿にお世話になってるんだ。だから…─」
「なるほどっ!じゃあ俺の家に下宿先を変えようっ!コレで一緒にいられるねっ」
なんとポジティブなのか、押しが強いどころの話ではない。この物騒な地域で自分の力がどこ迄の影響力を持つかという事を、彼はシッカリと把握していた。祥司は[BillyBlack]の一員ではない、しかし相川組若頭の息子だ、当然、組の中には[BillyBlack]に所属している者もいる。例えば今井が彼の世話係となったとする、そうすれば何者かが今井を襲撃した途端に暗黒街で、情報が飛び交い、相川組傘下の黒柳組が動く、事と次第によっては圧倒的に敵側にとって不利な抗争が
「…でも…キミの家の人達に迷惑なんじゃ…」
「晃一さんからのお願いだしっ!今日からキミは今までのセカイには居られない─それに、俺がキミと居たいんだよ、一稀くんを守りたい」
同い年で、身長は同じくらい、美しい少年と可愛らしい少年、育ちや心は瞳に
「えっと…あの…─」
「ああっ!名乗り忘れてた何てことだ!俺は桐沢 祥司!祥司くんって呼んで!!あ、ちょっと待っててね、うちの奴に一稀くんの荷物取りに行かせるから」
よく人の言葉を
さて、ここで1Dの教室に漂う混沌とした空気は横へ置くとして、軽い足取りで校舎の屋上に戻ってきた高山は、ドアを開けて目の前に広がっている光景に対して笑いを
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