AIコンフリクト ―白と黒の叙事詩―

作者 コノハナサクヤ

53

19人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

世界を管理するコンピューターの暴走を止めるために必要なのは、少女の心臓に埋め込まれた制御装置でした。

世界を救うために自らの命を犠牲にしなければいけない少女、アリエス。そんな彼女と共に旅してきたのは、護衛を勤めるAl のスウィンザ。
共に過ごす中、スウィンザの事を愛しく思うアリエスですが、AIであるスウィンザとの間には、気持ちのズレがあります。

世界を救うために自らの命を差し出さなければいけないアリエスにとって、任務を遂げようとするスウィンザは、言わば死神のような存在。だけどそれでも、彼の事を思ってしまうと言う、歪な関係の二人ですが、アリエスの気持ちにスウィンザはどう答えてくれるのでしょうか?
人とAIの絆を描いたとても美しい、映画のようなSF作品です。

★★★ Excellent!!!

死が刻々と迫る少女アリエスと、その彼女の護衛兼監視人のAIスウィンザの最後の旅。

AIに果たして心はあるのか?
アリエスはスウィンザに人間らしさを期待するも、やはり彼はAIなんだなと感じてしまう旅路。
しかし、そんなスウィンザの真意が徐々に見えてくる様は、読んでいて心が揺さぶられます。

白と黒、どちらを選べば正解だったのか、AIには心があったということなのか、アリエスが最後に直面した場面で感じた感情、そしてその選択は正しいものだったのか。
考えさせられることがたくさんあります。
が、読んだ後はどこか心が優しい気持ちで満たされる物語です。

素敵な二人の最後の旅を、ぜひ見守ってみてください。

★★★ Excellent!!!

自らの命と引き換えに、世界を治めるコンピューターの暴走を止める運命を背負わされた少女アリエス。その護衛と監視役を務めるAIスウィンザ。

二人の旅の行方も気になりますが、それと同じくらい注目してほしいのが、スウィンザの心についてです。AIに心はあるのか。数多くのSF作品で何度も問われてきたテーマですが、それだけ人を引きつける何かがあるのではないかと思います。
最初はどんなに人間に似ていても、その言動からやはりAIでしか無いのかと言う印象だったスウィンザですが、時折見せる心の揺れに期待してしまいます。

果たして彼はただのAIか。それとも、そこには確かな感情があるのか。最後の展開は、驚きと切なさと、そして温かさが溢れていました。

★★★ Excellent!!!

少女アリエスと彼女の護衛兼監視人であるアンドロイドのスウィンザ。
ふたりの最後の旅。その目的は――。

全編に流れる静謐な空気と、内からあふれる激情。
白と黒。天使と死神。破壊と破滅。光と闇。

切なくもじんわりとあたたかな余韻に包まれるポストアポカリプスSFです。

34000字ほどの中編ですが、描かれている物語は深く広い。
死にゆく世界に響くアンドロイドの美しき歌声。
ふたりの旅の最後を、ぜひ見届けてください。

★★★ Excellent!!!

せつなく温かい心地の読後感に包まれます。
かなしいものがたりなのに、けっして絶望的ではない終末世界を描いた作品です。
AIの魅力的な “人格” もこちらのものがたりをより美しく彩り、読者を惹きつけてくださいます。

AIをあつかった展開のよめない素敵なものがたりにふれてみたい方へ、とてもおすすめです!

★★★ Excellent!!!

少女と彼女の護衛兼監視人であるアンドロイド。
少女らは世界を治める中枢演算処理装置の暴走を食い止めるために、白砂漠の中心に位置する街を目指す。

少女の心臓に埋め込まれた制御装置。
生か死か……。
破壊か破滅(自己犠牲)か……。

――「あなたのいない世界など、死んでしまえばいいのです」

――「あなたが生きる世界なら私は命をかけて守ってもいい」

人間とアンドロイド。
緊迫感のある驚きの展開。

そこに芽生えたのは……
少女を守ろうとする深い愛。

涙溢れる感動のSFです。

★★★ Excellent!!!

完結作品。

白い砂漠の中心の街を二人の男女が訪れる。
片方は少女――アリエス。
もう片方はアンドロイド――スウィンザ。
彼らの目的は街の中枢、全世界を掌握するコンピュータ〈ニュークリアス〉の暴走を食い止めることだ。しかしそのためには、アリエスの心臓に埋め込まれた制御装置を摘出しなければならず……というポストアポカリプスSF。

機械であるスウィンザが己の名前に意味を見出したとき、約束された旅の終わりが形を変える。
荒涼たる舞台背景、歌というモチーフ、そして登場人物たちの精神の輝き。
全編にわたって美しさに満ちた物語です。

★★★ Excellent!!!

狂ったAIに支配された世界。それを阻止するために旅を続けてきた二人の物語です。

キャラクターの一人は「アリエス」という宿命の少女。
もう一人は美貌のサイボーグ「スウィンザ」。
物語は二人の旅の終わりと、最後の戦い、その結末を描き出していきます。

ジャンルはSFですが、それにおさまらない叙情的な濃密な物語となっています。
SFというよりはこの二人の想いが交錯していく様がなんとも魅力的な物語です。

そこには機械と人間との愛情がアリ、宿命をもった少女の悲しみがあります。
機械に芽生える狂気ともいえる自我があり、少女の淡い恋心があります。
そして世界の崩壊を前に二人が生み出す結論とは……

もちろん何のことやらでしょうが、わざとです。
これはもうぜひ読んで楽しんで欲しいからです。

巧みで端正な構成、魅力的なキャラクター、驚きの展開がつづくストーリー。
どれもが読みやすさにつながっていて、次から次へと夢中で物語を追いかけたくなります。

各章が短いので、あっという間に読み終えてしまうのですが、背後にもっと大きなストーリーを感じさせます。

ぜひ読んでみてください!
本当に面白い物語でした。