第15話 『難民』その14

 翌朝9時過ぎに、ぼくとキューさんは、『難民』おふたりと共に、モールに出かけました。


 事務所にまず寄るように言われていましたから、そうしました。


 店長代理さまは、少し困惑して言いました。


「そりゃあ、予定外ですよ。お給料も払えないし。」


「それは要りませんぞな。『難民』事務局から支給されるから。ぞなもし。」


 男が言いました。


「女性には大変ですよ、色々、不便だろうし。」


「あのねえ。普段、何処で生活してると思ってるのさ。慣れてるわ。」


「はあ・・・・」


「まあ、ふたりだけより効率上がるし、いいんじゃないですか?」


 ぼくが、とりなしをしました。


 なんで、ぼくが・・・とも思わない事も、なかったですが。


「はあ・・・まあ、いまさら、仕方ないかなあ。」


「そうね。仕方ないね、まあ、やってみる。それからまた考える。いざとなったら警察に突き出す、証拠ばっちり取ったからね。」


 キューさんが、きっぱりと言いました。


「ええ? ほんとうに、かなもし?」


「もちろん、抜かりはないね。」


「いやあ、ロボットが相手じゃ、どうもやりにくいわさ。」


「仕方ないから、ボランティアの形で、同行を許可します。これ、ボランティア証ですから。」


 なかなか、格好いいバッジを、ふたりはもらいました。


「じゃあ、頼みますよ。連絡事項は、ここに電話して下さい。じゃあ、がんばってくださいね。」


 こうして、ぼくたちは、ついに巨大モール内の捜索活動に、出発いたしました。


 



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