第4話  『難民』その3

 キューさんの事が気になるぼくは、さっそく翌日の晩も、モールに出かけまし


た。


 しかし、さすがにまだ、お店は営業はしておらず、警察の『キープ アウト』と


かの電光ステッカーが張り巡らされておりました。


 触ると、腰を抜かすそうです。


まあ、仕方がないので。まだ昨日の事でもあり、帰ろうかと思っていたら、例の警


部さんがやってきました。


「あああ、あなた、しんさん。」


「ああ、昨日はどうも。何か進展がありましたか? ぼくはキューさんが心配で。」


「ああ、なるほど、まあ、まだこれからです。ときに、『プチボス』があなたに合


いたいと言っています。」


「『プチボス』?ってなんですか?」


「『ボス』の小さいのですよ。この巨大モール全体を支配する『ボス』の側近で


す。」


「はあ・・・それは初耳と言うか・・・偉い人なんですね。」


「まあ、『ひと』というかどうかは、いささか疑問ですがね。」


「ロボットですか? アンドロイド?」


「まあ、そこらあたりですが、ぜひ会ってやってください。お詫びをしたいとも


言ってますから。」


「そりゃまあ。そう言われたら・・・はい。」


 ぼくは、警部さんについて行きました。


 モールのメイン通路から逸れて、裏方に回りました。


 そこは、普段は見ない場所でありますが、従業員の方は頻繁に通る場所でしょ


う。



 ところが、警部さんは、さらに奥のドアをカードを使って開くと、さらにその裏


側に案内してゆくのです。


「顔認証と、カードの併用です。ここから先は、滅多に入れない場所になります。」


「はあ・・・そんなところに・・・いいのかな?」


「いいのです。呼ばれたんだからね。」


 警部さんは、不気味に言いました。


『帰った方が、いいかしらあ・・・・』


 とは思ったものの、それは、どうやら、なかなか難しそう。


 いつのまにか、後ろにも警官さんがくっ付いてきておりました。


「ここの警護担当者です。」


「はあ・・・・・」


 なあんか、怪しいなあ・・・・


 と、思ったとたん、天井が突然、ガバっと開きました。


「おわ! でた。くそ、ねずみ、め、!」


 警部さんが叫びました。


 しかし、黒い影のようなものが、ぼくらに幾体か襲いかかり、その間にぼくは、


天井に引き込まれてしまいました。



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