第179話 李儒(理樹)と内気な姫殿下【乱】(3)
女神さまは、この大変な出来事、事態、惨事に対して李儒(理樹)のように、己の顔色を変え怪訝な表情で汗。冷や汗を滲ませ、粒を落としながら走行、走る。ある物達から逃げる、逃走を計る訳でもなく。
「フフフ」と先程から女神さまは微笑……。いつもの彼女らしくない振る舞いで、この場の雰囲気……。
そう、自身の華奢な掌を優しく握り。握った上に、強引、力強く、引っ張り。自身のことを守る為に、先導してくれる勇者、騎士との、この最悪の場面へと変化、変わってしまった状況──。悪しき物達から逃走、逃げる様子を、李儒(理樹)自身とは違い。『鬼ごっこ』でもしているかのように楽しんでいる。いる様子、余裕が女神さまにはある。窺える。
『チチン、プイ!』、『プイ!』なのだよ。女神さまはね。己の持つ、魔力、妖力を使用して、見せながら。
「(何処かで隠れて、身を潜め、服を着衣。着ないといかないな)」と。
己の心の中で、何度も呟きながら逃走を計る。李儒(理樹)の意を察して魔法を発動──。
裸体、素足のアダムとイブだった自分達二人の容姿を見る、見る間に、各自が持ち握る衣服を着衣してみせたのだ。
だから李儒(理樹)は、いきなり変化した自身の容姿を凝視して、
「えぇ、えええっ! うそぉおおおっ⁉」と驚愕。絶叫を吐きながら走る。
またそんな己のアダムさま、勇者さま、騎士さまの様子が可笑しいのと可愛く、愛おしく思うから。
先程から李儒(理樹)自身が、名前すら聞いていない。尋ねていない彼女、女神さまは、微笑を浮かべ……。
そう、世に謳われる女神の微笑を漏らしながら、銀幕の恋愛シネマのワンシーンを思い出すような逃走劇を大変に歓喜しながら楽しんでいる最中が、今の李儒(理樹)と女神さまの様子なのだが。
さて二人……。
李儒(理樹)とエルフな女神さまが逃げている。それを追う悪しき物達なのだが。容姿の方はと言うとね?
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