第131話 李儒(理樹)と内気な姫殿下(32)

『ふう』と、閣下は一息つきながら、己の主さまを見詰め「李儒(理樹)」と、声をかけると。


「ん? な、何かな? 閣下?」と、李儒(理樹)の奴は、先程とは打って変わって、怪訝な表情ではなく。己のお妃さまの機嫌というか? 顔色を見ながら言葉を返してきたのだ。


 だから閣下は、自身の心の中で「(李儒(理樹)の奴は、荒々しく高ぶらせていた、己の気をやっと落ち着かせたようだな……)」と、呟くのだ。


 でっ、呟き終えれば彼女、魔王董卓閣下も『ニコリ』と、魔王の妖艶な笑みではなく。女神の微笑みを浮かべながら。


「儂は別に李儒(理樹)が、変に嫌らしい。羞恥な様子や優艶な振る舞いをしている画像、動画を視聴、観覧をした事に対して憤怒、怒っている訳では無い……。李儒(理樹)、お主が先程儂に説明をしてくれた通りで、視聴したのは。儂と逢う。出逢う以前の事だと思っているし。儂自身も理解。主様の事を信用しているからな」と、告げる。告げると閣下は、また己の口を開いて。





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