第127話 李儒(理樹)と内気な姫殿下(28)

 でも、いくら李儒(理樹)が閣下に不満を告げてもさ。彼女、董卓閣下自身は、己の主に対して憤怒、怒りをあらわにしている訳では無い。遠目、傍から彼女を凝視しても。魔王董卓閣下は、強張った表情や怪訝な表情をしている訳ではなく。


「(何故李儒(理樹)。李儒(理樹)の奴は、儂が少しばかり問うたぐらいでここまで憤怒、怒りをあらわにする。するのか? 儂には、自身の主の気持ちが解らん。理解ができん……)」とぐらいにしか思っていないのだよ。


 それにさ? 李儒(理樹)の奴は、何かしら勘違いしているようだけれど。自身のお妃さまが、己を凝視して「クスクス」と微笑を漏らすのは、李儒(理樹)自身が、幼子のように『お〇っこ~。お〇っこが漏れる。漏れるよ~。閣下~。トイレ~。トイレはどこ~』と、地団駄。落ち着きなに様子でいるのが、面白い……。



 それも? 可愛くて仕方がないから、閣下自身の母性本能くすぐられて仕方がない上の、笑みなのに。李儒(理樹)が、己のパソミの隠しデータを見られて、魔王董卓閣下が憤怒している勘違いをしているだけなのだよ。


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