第109話 李儒(理樹)と内気な姫殿下(10)

 と、なれば?



 未だ陽も高いが、ここは! この世界は! 女体化した古の英霊、女神、精霊、他種族の女性達が住む世界なのだから。


 ハーレム王となったばかりの思春期真っ只中の李儒(理樹)は、己の腕の見せ所となる。なるのだ。


 そう、この場にいる魔王董卓閣下直属の臣下、武将、戦姫達へとね。


 この部屋にいる者達の中で誰が本当の主! 御主人さま! なのかを、皆に教える為の最大のチャンス! チャンスなのだ!


 だから少しばかり恥ずかしいことではあるのだが。自然の摂理がどう言う物なのをこの場にいる戦姫達に手ほどき、披露をする為に。


 只今可愛く、地団駄を踏みながら暴れ抵抗、拒否して見せる可愛いダークエルフの彼女さまに、夫婦の営み、円満になる優艶な行為の相手をしてもらうしかない。ないのだと彼──!


 李儒(理樹)は思う。


 まあ、思うことはないから心配をしなくてもいい。いいのだ。


 若き純情な少年、好青年達の夢や希望──。ヒロイン達への愛情を壊す。破壊するようなことはしないから安堵して欲しいのだ。


 まあ、中には? ちょっとばかり残念……。


『はぁ~』と嘆く者もいるかも知れないが。


 これはあくまでも十八禁仕様の話、物語ではない。


 それに? 夫婦の荒々しい営み──。


 そう、二人が獣と化した仲良く、な行為は、他人に見せるものではない。ないからね。夫婦二人が仲良く楽しむ物だからと言いたい。言いたいのだ。


 まあ、少しばかり話しがずれたので元に戻すのだが。


 とにかくこの場で、一人大騒ぎ、「駄目だ! 駄目だ!」、「イカン! イカンぞ!」と。


 室内で大騒ぎ、遺憾砲ばかりを撃つ! 放つ! 董卓閣下に対して。


「閣下、あの~。あの、ですね?」


 と、声をかける者が。


 だから魔王な董卓閣下は地団駄を踏み、暴れる行為をやめて、


「……ん? 何だ? 賈詡?」と。


 相変わらず怪訝な表情ではあるのだが。【賈詡】と言う。呼ばれる。稀代の智謀家、名軍師の一人である少女へと視線を変えて見詰めるのだった。



 ◇◇◇◇◇

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