第106話 李儒(理樹)と内気な姫殿下(7)

「僕の愛馬の試運転もかねて、城郭外を散歩してきても良いかな?」と。


 閣下に訊ねる。


「……ん? 何、何? 何だぁあああ~? どう言う事だ。李儒(理樹)?」と。


 麗しい魔王さまが訊ね返せば。


 でッ、その後は?


「駄目だー。イカン! イカンぞ! 一人での城郭外の散歩は許さん! 駄目だ! 駄目だ!」と。


 李儒(理樹)は、己の願いを閣下に拒否、却下されてしまったのだ。


 その上、こんな台詞と言葉も付け加えられてね。


「う~ん、今は未だ、黄巾の乱も収まらない。安定しない状態だから……。いつアヤツらがこの洛陽を襲ってくるかも解らない状態だから……。李儒(理樹)、一人での馬の遠乗りは許可できん。できないから。誰か儂の家臣の中で武の立つ者を配下として警護させろ。でないと、駄目だ! 李儒(理樹)! 儂はお主の主、妃として許可はできん! できない……」


 董卓閣下は、己の主、宝が大事だから許可ができぬ。


 どうしても馬での、練習を兼ねた遠乗りがしたいのならば。


 董卓閣下の家臣の誰か……。武に自身のある者を警護として連れていけと言い始めたのだ。

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