第58話 過去も現世も師従関係? どちらが主で下僕?(4)

 先程まで着衣をしていた昔の中華の貴族や高官達が着衣をしていた煌びやかな衣装に、スリットが大きく開いたミニのタイト、チャイナドレスの特注品を着衣していた筈なのに。


 今の彼女、麗しく妖艶な魔王さまは何故か、裸体でいる。いるからね、ああ、なるほど? そういうことなのね? と思う。


 と、いうか? 思うことにするよ。


 まあ、と、いうか?


 ああ、だからだろうね? 魔王さまが、己の美しい紅玉の瞳を濡らしながら少年李儒(理樹)に対して責任を取れ、捨てる。見捨てないでくれと涙ながらに告げ、嘆願、乞い。嘆いているのは?


 魔王さまが己の身を捧げ、尽くした李儒(理樹)自身が男らしくない行為。女々しく振る舞いながら、中々良い返事を出さない。しない男と化しているから。


 魔王さまは、己のグレー、褐色の色をした頬を涙で濡らし嘆いていると言うことみたいだね。李儒(理樹)の奴に愛想をつかして、己の世界へと帰宅の途につく訳では無く。



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