第49話 魔王さまからの囁き(8)

「ええ、全くと言ってよいほどないです」と、李儒理樹が呟けばね。


「そうか?」


「はい」


「うむ、仕方のない奴だなぁ。まあ、それは、それで致し方がないか……。まあ、良い」と、魔王様が李儒理樹へと呟いてくるから。

「はぁ、わかりました」と、彼が答えると。


「まあ、どちらにしても儂は、この世界が気に入った」と、自身の事をと名乗るダークエルフの少女が、自身の腰に両手を当て何故か、李儒理樹の部屋を見渡しながら呟くから。


「はぁ、そうですか」と、李儒理樹が魔王様へと取り敢えず言葉を返せばね。


「今日から儂はこの屋敷の、この部屋で寝泊まりをするから宜しくな、李儒理樹。頼むぞ」と、魔王様は異性の彼の事など全く気にもしない素振りで微笑みながら告げてくる……だけではないのだ。


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