6月19日① ※ネタバレ注意
最後の最後、どんでん返し。
姉が実は真ボス。
それを、どう表現するか……
真ボスは、正体を明かすつもりは今の所ない。
取り敢えず、戻ってくる両親の始末方法を考えてる事でしょう。
このままの流れだと、真ボスが正体を現すタイミングがない。
そこを考えよう。
多分、たぶんだけど。
主人公は、多少洗脳されているとはいえ、姉の言動に違和感を無意識に感じていそう。
過去の記憶の中にある姉の言動と、今の姉の言動にズレがある。
その『違和感』は、劇中にそれとなく仕込んでおくとして。
主人公は、どこで『姉がなんか違う』と気づくか。
あー。
例えば。
姉は実は運転狂。
車があるのに、姉が運転しようとしない事に違和感を感じる。
両親を迎えに行く時に、車ではなくタクシーを使おうとする姉。
こんな時、本当の姉なら喜び勇んで車を出すハズなのに。
色んな事を調べて姉をコピーしたつもりの真ボス。
しかし、彼女は運転ができない。
未来では、自動運転車が一般的だから。
しかも、姉の愛車はマニュアル車。
未来にはマニュアル車は一部嗜好品で一般販売されていないし、公道は走れない事になっている。
タクシーで迎えに行くという姉に、ふと主人公は聞いてみる。
『なんで車出さないの? 久し振りに愛車を運転するチャンスなのに』
海外生活で車の運転の仕方忘れちゃったと誤魔化そうとする姉。
しかし、姉が行ったのはアメリカのロス。
車社会。
喜び勇んで現地で国際ライセンス取ってアメ車を転がす写真とか送ってきていた姉が運転の仕方を忘れるハズがない。
「お姉ちゃん、なんか変わったよね」
今までの言動を思い返して、何の気なしにそう呟く主人公。
「……そうね。やっぱり、海外で生活すると、色々意識が変わるしね……」
そう、話を終わらせようとする姉。
「そっか……そうなんだ。だから、大嫌いなココアも飲めるようになったんだね」
そう、最後に呟き、姉に背を向ける主人公。
ユラリと振り返る姉。
真顔で表情がない。
そんな様子に気づかない主人公。
背を向けた主人公に……首筋に薬を打ち込む姉。
麻痺して倒れた主人公を姉は冷たく見下ろす。
「暗示が解けかかってるようね。
馬鹿ね。違和感なんか無視して暮らしていれば、こんな目に遭わなくて済んだのに」
動けず姉を見上げるだけの主人公。
そんな主人公に不気味に満面の笑みを返す姉。
「今度はもっと強く暗示をかけてあげる。姉は『車が嫌いになった』『ココアが大好きになった』『姉の言う事は絶対。言われた事に疑問を抱かず納得する』ってね」
意識が朦朧としてくる主人公。
姉が主人公に手を伸ばそうとした瞬間……
満身創痍のヒゲゴリマッチョが玄関から突入してきて、二人の前で転ぶ。
その後ろには婆様が。
ヒゲゴリマッチョは、隣の婆様の家でスリープモードになっていた。
「マスター。脳波と心電図に異常を検知しました。如何致しましたか?」
「この子が突然起動して『マスターに異変発生』とか言い出したんだけど、何かあったのかい?」
姉、心で舌打ちし。主人公を抱き起こし、二人に笑顔で振り返る。
「いえ、大丈夫です。
ちょっと目眩を起こして倒れただけなんで。
上で少し休ませればすぐ元気になりますよ」
そう言って主人公を抱き上げようとする。
その時婆様が
「……微熱出しただけで、心配して緊急外来に飛び込んでたアンタが……『目眩を起こして倒れただけ』? アンタ……どうしちゃったんだい?」
と、怪訝な顔をする。
そう、今まで一緒に行動していて、婆様は姉に違和感を感じまくっていた。
待ちに待った妹が出来て、飛び上がらんばかりに喜び、親よりも過保護に妹を大事にしていたハズの姉が、このところ素っ気なく、そして妹に対して妙に冷淡になった気がしていた婆様。
「……突然アメリカから帰ってきてたと思ったけど……何かあったのかい? アンタ、何処かおかしいよ」
主人公と同じぐらい、いやむしろ、妹以上に付き合いが長い姉と婆様。
婆様は暗示がかけられていない為、違和感バリバリだった。
突然変容した姉に、心配の声をかけたつもりだったのだが……
「……老害が……なんの生産性もなく資源浪費するしか能がないんだから、余計な事せずさっさとくたばればいいものを……」
突然ポツリと毒を吐く姉。
その時、ヒゲゴリマッチョがすかさず反応。
「声紋認証エラー。先程の声と今の声、二度認証失敗」
機械的に返答する。
それを聞いて婆様も、姉の声がさっきからいつもと違う事に気づく。
「ちっ……ポンコツが。
……ボイスチェンジャー外すんじゃなかった……油断した……」
すかさず、主人公を背中から抱いて首元にナイフ突きつける姉。
「アンタ誰だいッ?!」
婆様、ヒゲゴリマッチョの横から声をかける。
「声紋検索履歴にデータあり。〇〇博士」
※ここで〇〇は真ボスの名前ね。
「外部ストレージにアクセス出来ないクセに、履歴残してたんだ。廃棄寸前の骨董品の分際で忌々しい」
真ボス、顔を変える機械のスイッチを切って、本当の顔を晒す。
驚く婆様。
すぐに、その技術が現代のモノではない事に気づく。
「アンタ……未来から来たね。まだ残っていたのかい……」
婆様、着物の裾に手を突っ込んで腕組み。
「〇〇博士。マスターを逆恨みしたアンドロイド思考ロジック研究者。
……60年後のマスターの家に放火させマスターを事故に見せかけて殺した張本人」
ヒゲゴリマッチョ、この世界に来るきっかけの火事の話をする。
すると、真ボスは首をすくめて首を振る。
「何を根拠に」
「現場で逃げ遅れた放火犯を捕まえました。貴女の組織の人間でした。貴女の組織は貴女の命令ナシには動かない。という事は、放火したのは貴女の命令です」
「ああ…アイツね。普段から下手打つから……もっと早く始末すれば良かった」
その言葉にゾッとする婆様。
『始末』と簡単に言ってのけた。つまり、主人公を殺す事も、何とも思っていないという事。
手を出せない。主人公が危なくて。
「組織の人間はいるのに貴女の姿がない為、過去には来ていないものと判断しておりました」
ヒゲゴリマッチョ、表情筋動かすエネルギーがないのか真顔。
「……ちょいと待ちな。アンタ……いつからこの時代に来てたんだい」
婆様、この事件が起こる前から姉がいた事に気づく。
「素直に教える
事件を起こす1ヶ月前ぐらいかな。
下準備とか色々あったからねぇ。
60年前は、セキュリティガバガバで潜入し易かったよ。身分証明が未だ紙で、見ただけで認証なんて……笑える。まるで猿ね。でも生活は不便。原始的すぎ」
「1ヶ月……」
そこで、婆様1ヶ月前ぐらいからATMがハッキング受けて現金が抜かれたり、企業がハッキング受けたり、事件が多発し始めた事を思い出す。
と、ここで、長くなったから一旦切るよ!!
続く!
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