遺された手紙

 キユリへ。


 このお手紙を貴女が読んでいる時、あるいは誰かに読んで貰っている時。お父さんとお母さんは、とてもとても遠くに行っています。


 凄く辛いけれど、これからもずっと、貴女に会う事が出来ないのです。


 でも、お父さんとお母さんは、いつでもキユリの事を考え、そして幸せになってね、と祈っています。


 この先、キユリがお母さんぐらいに大きくなる間に、色々な事を見たり、聴いたり、知ったりするでしょう。嬉しい事よりも、嫌な事の方が一杯あります。


 お父さんとお母さんは信じています。きっとキユリが強い子になって、そんな嫌な事に負けないで、沢山の幸せを掴む事を信じています。


 嘘を吐かず、他の人を傷付けず、一杯勉強して一杯遊んで。そして立派な人になってください。


 お父さんとお母さんには出来なかった事です。でも、キユリなら必ず出来ますからね。小さい貴女を見ているお父さんお母さんには分かります。それぐらい、キユリは良い子ですもの。


 遠いところから、キユリがいつまでも元気でいるように、お父さんとお母さんはお空にお願いしていますからね。


 それでは、良い出会い、良き人生を楽しんで下さい。ずっとずっと、応援していますよ。




 キユリの事が大好きな、お父さんとお母さんより。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る