第3話 強制ネカマプレイなう
何となく舌舐めずりしている女店主から一歩下がる。
「ここは男性用の服も扱っているのかな? かな?」
「男が可愛く言っても似合わないね。諦めな、ここは女性服専門だよ」
「……デスヨネーー」
引き攣った表情を浮かべると、女店主が俺の腕を掴んで店の奥へと引っ張った。
「ほら、さっさとお入り! この娘に聞いたよ。顔を隠しているけど相当な美形らしいじゃない。こっちも腕が鳴るわ」
「いやいや、待て、待て、待てーーい!! 俺はフードを被れば大丈夫だから。フランも余計な事言ってんじゃねぇよ!」
「へへへ~~、行ってら~~」
引き摺られる俺を見てフランが笑っているが、コイツ、男勝りとサディストを履違えてやがる!
「何を言ってるんだい。あんた等、海賊に追われているんだろう。男、女、男の子より、女、女、男の子の方がばれないわ。とっとと入りな!」
最後の「入りな!」のセリフと同時に、女店主が俺のケツを蹴飛ばした。
「ちょっケツを蹴るな! この店は客を蹴飛ばすのか!?」
「うるさいわね、男なら黙ってな! そんなんじゃイイ男が台無……あら? 本当に美形じゃないか」
「脱~が~す~な~~」
「何この肌? 色白でスベスベじゃない? 男なのに羨ましいわ!」
「肌を撫~で~る~なっ! キャーー! ちょっと待って、タンマ、タンマ! ズボンを、ズボンを脱がすんじゃない!!」
「うるさい!!」
「痛っ、頭を殴るな!」
俺は服を脱がされて、熟女プレイを虐げられていた。
……三十分経過。
「お待たせ」
ドヤ声の女店主の後から仕方なく姿を現す。凄く疲れた……。
「「……!!」」
リックとフランが俺の姿を見て驚いていたけど、ああ、俺もさっき鏡で見て自分の姿に驚いたさ。
下は黒でスラッとしたロングスカートを履き、上は白い女性用シャツ。胸の辺りにはパットで胸を膨らませている。そして、フランと同じくサービスで顔に化粧を塗られて、頬の傷も消えていた……鏡に映った姿はモデルも顔負けの、姉さんに少し似た中性的な美人だった……誰だ、この美女は? ……まあ、俺だけど。
「感心の出来だわね。これで男に見られる事はないはずよ」
「なあ、店長さん。これって逆に目立たねえか?」
「……あっ」
「あっ」じゃねぇよ。本来の目的を忘れてるじゃねぇか。
「フラン達も何時まで呆けてるんだ?」
「……レイさん、凄い美人だよ!!」
リック、そのセリフはおかまに言え。ああ、今の俺はおかまか……。
「……負けたわ、男に負けたわ。悔しいけど、凄く奇麗」
正気に戻った二人が俺を褒めるが、女装趣味のない俺は褒められても全く嬉しくねえ。
だけど、これでさっきの騒動の犯人と思われることはないだろう。理不尽だけどな!
会計は二着で2gと24sと少しだけ高かったが、女装が面白かったのか、女店主は2gにまけてくれた。
「楽しかったわ。気が向いたらまた寄りな」
にやにや顔の女店主に見送られて、俺達は店の外に出た。二度と来ねえよ、ババア!
「ほれリック、俺の背中におぶされ」
「ちょっと『俺』はないんじゃない?」
しゃがんでリックを背中に乗せようとしたら、フランが俺の言葉使いにダメ出しをしてきた。
「は? じゃあ何て言えば良いんだよ」
「『私』とか?」
おい、口元が笑っているぞ。
「気持ち悪い、勘弁してくれ」
背中に乗ったリックを背負って立ち上がる。
「とりあえず人前じゃ喋らないから、それで妥協しろ」
フランが両肩を竦めて了解する。
俺達はチョイ悪おやじからもらった地図を頼りに、盗賊ギルドのアジトへと向かった。
変装した俺達が町の中を歩くと、老若男女、NPC、プレイヤー関係なく、全員が足を止め、口をあんぐりと開けて俺を凝視していた。
そして、プレイヤーに至っては正気に戻ると今度は理性を外して俺のスクリーンショットを取っていた。肖像権を守れ、許可なく写真を撮るんじゃねぇ!
衛兵はフランとリックが居るにも関わらず、俺だけを凝視して二人を無視していた。フランの変装、意味なくね?
「レイ、まずいって目立ち過ぎだよ」
「何も言うな、無視しろ」
フランが今の状況を心配して小声で囁くけど、今は話し掛けるな男だとバレル!
それに、目立つからと変装を解く訳にもいかない。人前で男になったら、俺がただの女装マニアになる。
本当に勘弁してくれ。まさか、俺自身が読者サービスになるとは思わなかった……何で男からイヤらしい目で見られなきゃいけないんだ……もしこんな所を知っている奴に見……られ……俺達が進む先に、ブラッドとステラが居た。
二人を見て心の中で天を仰ぎ、体は地面に突っ伏しそうになった。
「どうしたの?」
「何でもない! 二人とも黙って進むんだ」
俺の動揺に気付いたフランが話し掛けるが、それどころじゃない。何であいつ等がコトカに居る? サーバーメンテナンス前にコトカに着いたのか? もし見つかったら一生の恥だ!
下を向いて顔を隠す。生存術スキルで二人が止まったことを確認。動きからこっちを見ている可能性大!!
見るな、今の俺を見るんじゃない!! 体中から冷や汗が出るが、女装が完璧だったのだろう。正体がバレず無事に通り過ぎた。
だけど、すれ違う際……。
「すっげぇ……美人」
「ブラッド止めなさい、聞こえるわよ。だけど、どこかで見た様な……」
二人の声が聞こえた瞬間、心臓が止まるかと思った。まだ死ぬのは早い……。
ステラ、頼む! 何も考えるな! 思い出すな! 思い出しても忘れろ!!
そしてブラッド、気持ち悪いから止めろ。この姿を思い出して絶対にシコろうとするな! 一生後悔するぞ。
「大丈夫?」
ブラッド達の横を抜けた後、背中越しにリックが俺に話し掛けて来たが、今の心境を何て説明すれば良いんだ?
「リック、もしお前が女装して孤児院の皆に見られたらどんな気持ちだ?」
「え? ……やだよ、そんなの、絶対に見つかりたくない!」
「今の俺はそんな気分だ」
「…………」
分かってくれたようで何より。
俺達は衛兵に捕まることなく、飲み屋街の路地裏にひっそり佇む寂れたバーの前に立っていた。
「ここで間違いないの?」
フランからの質問にリックを下して地図を確認する。
「ここで間違いないみたいだ」
「盗賊ギルドのアジトっていうから、スラムの奥とかもっと怪しいところだと思った」
「何でもこっちへの進出は、つい最近らしいよ」
チョイ悪おやじの話だと、この盗賊ギルドは出来たばかりと聞いている。
海賊が支配している縄張りで公にできないのは分かるが、新規開店の段階から既に寂れているのは営業的に終わっていると思う。
だけど、新規開店の花輪が並ぶ盗賊のアジトというのも思い浮かばないから、これはこれで良いのだろう。
入口の飾り看板には『シーフ』という店の名前が書かれていた。そのまんまじゃねぇか、少しは名前を捻ろ。
そして、まだ昼だからか扉には『Close』の看板がドアノブに掛けられていて、扉には鍵が掛かっていた。
「閉まっているわね。どうするの?」
「こうする」
フランの質問にロックピックを取り出して鍵穴に突っ込んだ。
「え? ちょっ……」
フランが驚いている間に、カチッ! と音がして扉が開く。
「早や!!」
「すごい……」
カギ開けに関しては姉さんのお墨付きだからな、驚くのも当然だ。自分の才能が恐ろしい……いやマジで……。
「じゃあ、入ろうか」
「いいの? 勝手に入ったりしたら泥棒よ」
「俺、泥棒だし」
「え? だったら良いのか?……あれ?」
フランが首を傾げていたけど無視して中に入る事にした。
「ごめんください……って当然居ないっと」
中に入ると、誰も居ない八人位のカウンターと客席が一席だけがあるだけの小狭な店だった。薄暗い店の独特な臭いと静かな空気が俺達を迎える。
「適当に座って待っていれば、誰かが来るんじゃね?」
「「うん……」」
大人の雰囲気が漂う店にズカズカと入る俺とは逆に、二人は不安げな様子で恐る恐る店の中に入った。
俺もこんなこじゃれた店なんて入ったことないから、ゲームをやる前だったら俺も緊張していたと思う。
だけど、最近は義兄さん達の大ざっぱな性格が移ったのか、このぐらいなら気にしなくなった。一体、誰の性格が移ったんんだ? 心当たりがありすぎて誰のせいか特定できん!
「本当に大丈夫なの?」
「んーーまあ、大丈夫じゃね? 100%とは言わないけど、ここは一番海賊と敵対している組織のはずだからな」
ここを選んだ理由は、海賊と敵対している組織という事もあるが、何よりも出来たばかりのアジトだから、海賊や領主へ裏切るほどの繋がりもないと判断したからだ。
カウンターに三人、フラン、リック、俺の順に並んで座る。
本当はカウンターの奥から飲み物でも欲しいところだけど、さすがにそこまでやったら後で怒られる気がして止めといた。
「それで、レイさんはこれからどうするつもりなんですか?」
「深夜を狙って領主の家に忍び込む予定。それで指輪が見つかればオッケーだし、見つからなくても何か手がかりを見つけるよ」
「……え? レイさん捕まっちゃうよ」
俺が忍び込むと聞いてリックが不安そうなに俺を見つめる。奥のフランも同様に心配そうな表情を浮かべていた。
「そうだな……もし、俺が捕まって帰れなかったら、この町に『プリンセス・マーマン』って宿屋があるから、そこに泊まっているコートニーって女性に相談してくれ。きっと何とかしてくれる、はず」
だけどリック、お前はジョーディーさんだけには捕まるな。
ちなみに、俺が捕まったら助けが来るまでログアウトして避難する予定。
「一つ聞いて良い?」
「何?」
「何でそこまで私達を助けてくれるの? ……レイも財宝狙い?」
フランが俺に助けた理由を聞いてきたけど……ふむ、確かに何で二人を助けているんだ? 女装までして……女装は考えるのを止めよう、マジでへこむ。
理由……理由……俺が欲しいのは病気が治る薬だから別に財宝はいらない。二人を助ける理由をしいて言えば、後で脳筋と犬が面倒だから……。
「金が欲しいと言えば欲しいけど、ある程度あれば十分だなぁ……」
「こっちは一応真剣に聞いているんだけど」
腕を組んで考えながら呟くと、フランは俺が適当に答えていると勘違いして少しご立腹?
「うーん。しいて言うなら、死ぬまでに生きたいからか……?」
「言っている意味が分からないよ」
残り僅かな命を楽しいことに向かって全力で生きたいと言っても、恐らく二人にはまだ理解できないだろう……。
「助けるのに理由が必要なのか?」
それを聞いてフランが呆れる。
「格好良い事を言っているみたいだけど、女装で全て台無しよ」
「女装の事は言うな! というか、もう着替えても良いよな」
目的地に着いたんだから、もう女で居る必要ないじゃん。
「……誰だ?」
着替えようと立ち上がったタイミングで、店の入り口から声がした。
振り向くと少し小太りな初老の男性が入口に立っていた。
「あ、お帰りー」
軽く会釈するが、老人は店の中に入ろうとしない。
「だから誰だ?」
「俺はレイ。こっちの小さいのはリック、奥に居るのがフラン。緊急事態だったので邪魔した」
「……何の用だ? それにどうやって入った?」
うん、老人と俺で温度差があるな。フランとリックは老人に怖気付いている様子だし。
「海賊に追われているから匿って欲しい。後、ドアはピッキングで開けた」
「同業者か?」
ピッキングで開けた事で同業者と思ったらしい。老人の口調に少し警戒が解けた感じがした。
「イエース。はい、これスコットからの紹介状」
チョイ悪おやじから受け取ったメモを、カウンターを滑らせて老人に渡す。
老人はメモを受け取り読むと、俺を訝し気に見た。
「お前がアサシンか?」
答える代わりに頷き返す。
「「え?」」
アサシンと聞いたフランとリックが驚いて俺を見ていた。あれ? 言ってなかったけ? ……言ってないな、まあいいや。
「アサシンが美人だというのは初耳だな。男だと聞いていたが?」
「……
「本当に男なのか……」
残念な顔をするんじゃねえよ。もうお前のバナナは萎びているだろ。
老人が俺に対する警戒を残しながらも店の中に入って、カウンターの奥へと立つ。
「洗面所は奥の扉だ」
「んじゃ借りるね」
未だに驚いている二人を残して、洗面所へ向かった。
化粧を落として洗面所から出るとカウンターに戻る。
老人は男に戻った俺を見て明らかに残念な顔をしていた。
「ただいま。そういや爺さん名前は?」
「……J.Bだ」
「ジャス○ィン・ビーバーか!!」
「誰だ、それは?」
「何だ、違うのか。ジャスティン・ビー○ーは世界で一番愛されていた嫌われ者だ」
「何者か知らんが凄い奴だな」
「それでマスター……」
「……なんで名前を聞いた?」
ん? 何となく。
「今夜、ここの領主の館に忍び込むつもりだけど、何か情報はない?」
「はぁ? 何だって!?」
忍び込むと聞いてマスターが驚いていた。
「今夜、領主の館でやんちゃしてくると言ったんだけど」
「……とりあえず
「分かった」
リックとフランをここに連れて来た理由、それに追われている状況を説明すると、マスターは呆れながらも頷いた。
「理由は分かった。ただ、ここも新しくできたばかりで、できれば目立ちたくないのが本音だ……が、アサシンからの依頼となると受けざるをえんな」
「悪いね。こっちも頼れるのがここしかなくてね」
カウンターに両手をついて頭を下げる。
「うむ。で、領主の館についてだが一応、見取り図がある」
「ほう? 立ち上げたばかりで随分手回しが良いな」
「立ち上げたと言っても、以前から情報収集はしていたからな。一度撤収した時の際、この町の情報はあらかた持ち出して保管していた」
「という事は昔の資料って事か……」
「それは仕方がない。ないよりましだと思ってくれ」
「そうだな、とりあえず情報料はいくらになる?」
マスターはしばらく考えた後、俺を見てニヤリと笑った……爺の笑顔は別に見たくない。
「ただで良い。その代わり館へ忍び込んだら、こちらに有利になる情報を持ってこい」
「金を貰った方が安くつきそうだな」
「もちろん、内容によってはこっちが払う」
……まあ、いいか。
「了解。それでいいよ」
交渉が成立して、マスターと握手を交わした。
「格好いい……」
俺とマスターのやり取りを見たリックが尊敬の眼差しで俺を見つめているけど、泥棒に憧れるのは止めておけ。
「それで、この二人だけど……」
「この店の地下に密談用の客室がある。まだ当分は使う予定もないからそこを使え」
「了解」
これでひとまず安全は確保したと考えて良いだろう。
「じゃあ、館の見取り図を見せてくれ」
「少し待っていろ」
見取り図を見ながらマスターの話を聞く。
彼の話を纏めると……。
・侵入は裏の下水道から館に侵入するルートがある。
・一階は町の運営を行う事務所、二階が領主と秘書の職場、三階が領主のプライベートルーム。
・領主の書斎部屋は二階にある。
・領主の寝室部屋は三階にある。もしかしたら大事な品はそっちにしまっている可能性があるが、特殊な鍵を使っているため、ロックピックが使えない。
・二階と三階の階段の踊り場には、階段を見張る監視部屋があって、そこを抜ける必要がある。
イメージとしては大使館に似ていると思う。一階が一般職員の事務所、二階が上司の職場で、三階が偉い奴の住まいってとこか……。
「巡回の時間や順路は昔と違うと思うから、当てにしない方がいい」
「わかった。その辺は慎重に進む」
「他に質問は?」
そうだな……。
「寝室の鍵のスペアはあるか?」
「わからん。ただ、あるとしたら三階の監視部屋だが、あそこは常に誰かが居る。入るのは難しいぞ」
「変装してもか?」
「無駄だな。あいつらの装備は顔が見える。特にお前の顔は目立つからすぐにばれるだろう」
「「チッ」」
俺が舌打ちすると、なぜかマスターまで同時に舌打ちをした。意味不。
「何か方法があるか、その場で考えるか……」
「……だったら、少し待ってろ」
マスターがカウンターを抜けて奥のドアに消えると、何かを持って戻ってきた。
「これを持って行け」
マスターがカウンターに置いたのは、クロスボウとボルトだった。
クロスボウはどこにでもありそうな市販品と思われるが、ボルトは芯全体が青く今まで見たことがない。
「このボルトは?」
「ウォーターボルトだ。これを使うと火が消える。遠距離から蝋燭の火を消すなどの効果がある。これと隠密スキルを使えば少しは成功率が上がるだろう」
試しにマスターがウォーターボルトを近くで灯っていた蝋燭に近づけると、蝋燭の火が消えてウォーターアローが跡形もなく消えた。
その際に「シュッ」と言う音が聞こえたが、これは許容範囲だろう。さらに、一度消えたらしばらくは点灯しないらしい。
「なるほど、これは便利だな……」
「5gだ」
「…………」
「クロスボウが4g50sでウォーターボルトが10本で50s。全部で5g貰おう」
金を取るのか。ボルトは良いがクロスボウが少し高い……それにクロスボウなら既に持っている。
チョイ悪おやじから貰ったクロスボウを鞄から取り出し、弦を引っ張ってセットする。相変わらず無茶苦茶固い。
遠距離武器用のスキルは持ってないが、このクロスボウは命中に+20のボーナスが付いている。攻撃力はないが、当てるだけなら問題ないだろう。
「マスター、ボルトだけ貰っとくよ」
「儲け損ねたな」
マスターが残念そうに笑って肩を竦める。
「恨むならこれをくれたスコットを恨め、ついでに女難も呪っとけ」
「女難は知らんが、他で儲けるとするか……盗賊窃盗スキルは持っているか?」
「窃盗スキル?」
「ああ、このスキルを使うとスリの成功率が上がる。レベルが上がれば相手の所持品を触らずに確認することも可能だ。本来ならある程度信頼のある客にしか売らないが特別だ。お前ならマスターも了承するだろう」
ああ、こうやって無邪気な少年が、悪の道に入っていくんだろうな……。
「どう使うの?」
「特に何もする必要はない。ただし、所持品の確認は相手の荷物を集中する必要があるがな。さすがに常に相手の荷物を見ることはできんよ」
説明から判断すると、パッシブスキルで所持品確認時だけはアクティブスキルという事か……。
「そりゃそうだ。分かった、買うよ。いくら?」
「10gだ」
「了解」
スキルとボルトの支払いを済まし、スキルをセットした。
んじゃスキルをドーン!
-------------------
レイ Lv11
アイアンスティレットAGI+3
取得スキル
【戦闘スキル<Lv.13> VIT+1】【生存術<Lv.11> INT+1】【危険感知<Lv.11> INT+1】【盗賊攻撃スキル<Lv.13> AGI+1】【盗賊隠密スキル<Lv.11> DEX+1】【突刺剣スキル<Lv.4>】【打撃スキル<Lv.4>】【格闘技スキル<Lv.4>】【盗賊回避スキル<Lv.2>】【盗賊窃盗スキル<Lv.1>】
控え
【サバイバルスキル<Lv.5>】【生産スキル<Lv.10> INT+1】【調合士スキル<Lv.11> INT+1】【毒作成スキル<Lv.10> INT+1】【薬草学スキル<Lv.10> INT+1】
アクション
生存術・危険感知・ステルス・目くらまし(唾吐き)・バックステップ・バックアタック・足蹴り・薬作成・毒作成
-------------------
サバイバルは今回使う予定がないから控えに回す。盗賊窃盗スキルはLv1だし成功率は低いと思うが一応セットした。これで今手に入れられるスキル枠が満杯になる。
次はレベル15にならないと取得できないけど、もう取る必要もない気がしてきた。
「こんなところか……」
「うむ、それで時間までどうする?」
「もちろん寝る」
「分かった、奥を使え」
俺が席を立つと、会話が終わるのを待っていたフランが俺を呼び止めた。
「……レイ」
「何?」
「……その、ありがとう。私もリックもコトカに着いたのに、どうして良いか分からなくて諦めかけていたの……本当に感謝するわ」
「僕もです。今は何もできないけど、いつか必ずお礼をします!」
それを聞いて少し恥ずかしくなったから、返答代わりに肩を竦める。
「あ、そうだ。リックが攫われそうになった時に手に入れたダガーをくれ」
「え? 何に使うの?」
「んーー上手くいったら、領主と海賊の間柄を引き裂けるかも」
「分かった」
フランからダガーを受け取り鞄にしまう。
「後、礼は指輪と取り戻してから言ってくれ。んじゃ、俺は先に寝るわ」
片手をさっと上げてから、皆を残して早々と地下の部屋に入って眠りに就いた。
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