「あの… 触ってみてもいいでしょうか?」

 どのくらい時間が経ったのだろう?

ベッドのなかでヨシキさんに腕枕されながら、情熱的に愛しあった余韻に、わたしは身も心もうっとりと浸っていた。


しばらくピロートークをしながらふざけあったあと、いっしょにお風呂に入る。

明るい浴槽のなかではだかを見せるのは、まだ恥ずかしいけど、少しずつ抵抗はなくなってきている。


「あの… いいでしょうか?」


好奇心に負けたわたしは、おそるおそる訊いてみた。


「え? なにが?」

「ヨシキさんの… 触ってみても」


はしたないとは思いつつ、やっぱり興味はある。

ヨシキさんは、おかしそうに笑った。


「ははは。もちろんいいよ。ってか、むしろ触ってほしいし。ほら」


そう言ってヨシキさんはわたしの手首をつかみ、いきなり自分のものに導いた。

仄かな灯りの下で、ヨシキさんとつながる場所を、わたしはおずおずと撫でてみた。

そういえば、幼い頃に見た兄のモノも、象の鼻のようにフルフルとぶら下がっていて、脚の間で揺れているさまが滑稽こっけいだったが、ヨシキさんのものはそれよりも、随分大きい気がする。


「はじめて触っちゃいました。これって、やわらかいんですね」


入ってくるときとは違う、フニフニとした感触。

まじまじと見つめるわたしに、少し照れるような口調で、ヨシキさんは言い訳した。


「今は、平常時だから」

「どうしたら、いつもみたいに固くなるんですか?」

「知りたい?」

「はい」

「そうだな… じゃあ、やさしく握ってみて」


浴槽の縁に腰を下ろしたヨシキさんは、脚を開いて、その間にわたしを入れた。

いやがうえでも、股間のモノが目の前に迫ってくる。

紫味を帯びた赤黒いそれを、ヨシキさんに言われるとおりにやさしく握る。

何回か撫でているうちに、それは頭をもたげ、ムクムクと起き上がってきた。

意志を持った生き物のようで、なんだか面白い。

興味にかられて、わたしはそれを撫でたり握ったりして、もてあそんだ。


「う、、 いい。凛子ちゃん、、、」


今まで見せたこともない、切なげな表情で、ヨシキさんはわたしを見下ろしていた。

嬉しい。

わたしの指で、ヨシキさんがこんなになるなんて。


「口で、舐めてみて…」


先ほどと打って変わって、パンパンに固く猛って目の前にそびえ立つソレを、わたしはおそるおそる、舌先で舐めてみる。


「もっと、口の奥まで入れて」


ヨシキさんに言われるまま、わたしはそれを咥え込んだ。

口いっぱいに熱いものが広がる。

息ができなくて苦しい。


「む、無理です。おっきくて、全部入りません」

「おれの、大きい?」

「わかりません。較べたことがないから」

「そうだよな」

「でも、びっくりです。これがいつもわたしのなかに入ってくるサイズなんですね」

「こんなにしちゃって。凛子ちゃんすごいな」

「…もっと、舐めていいですか?」

「ああ、、、 嬉しいよ」


スティックキャンディのように、舐めて美味しいってものではないけど、ヨシキさんの恍惚とした顔を見るのが楽しくて、その快感がわたしにまで伝染つたわるようで、わたしはそれを口に含み続けた。


「指を上下にこすりながら舌で裏側を舐めて。そう! うまいよ凛子ちゃん。今度は強く吸ってみて」


いろいろ要求されるうちに、要領が呑み込めてくる。

少しは知識も身につけていたつもりだけど、優花さんの言うとおり、ヨシキさんから実地に教わる方が、はるかにわかりやすいし、気持ちよさそうなヨシキさんも見ることができる。

つやつやと光る先の部分を、わたしはいろいろなアングルから執拗に舐め続けた。

舐め上げる度に、指で握った棒の部分がヒクヒクと痙攣けいれんするのがわかる。

なんだかおもしろい。

わたしは指の動きを速め、ヨシキさんがいちばん切なそうにする部分に、舌をねっとりと絡みつけた。


「やばっ、凛子ちゃん。出… そう」


どのくらいそうしていただろう?

突然、たまらないといった表情で、ヨシキさんが呻いた。


『出そう』って。

もしかして、保健の授業で習った、アレ?

知識はあるけど、どんなものかはわからない

いったい、どんな風に出てくるのだろう?

好奇心にかられて、わたしはさらに動きを速めた。


「!!」


その瞬間、わたしの咥えていたものは大きく脈打ち、膨れ上がり、喉の奥に熱い液がほとばしってきた。

反射的にわたしは吐き出そうとしたが、事の顛末を最後まで知りたくて、そのままの状態でじっと我慢する。

それは何度か脈打ち、その度に液を放出し、やがてピクリとも動かなくなり、少しずつしぼんで柔らかくなっていった。


もう、終わったの?

上目遣いに、ヨシキさんの表情をうかがう。

わたしに見られていることに気づかないのか、ヨシキさんは目を閉じて口を半開きにしながら、頬をほんのりと赤らめて『はぁはぁ』と息を荒げている。

そんな姿を見ていると、こちらまで興奮してくる。


「凛子ちゃん… すごい。すごすぎ… はじめてなのに、オレのこと、いかせられるなんて」


慈悲に満ちたやさしい瞳でわたしを見ながら、ヨシキさんは何度も髪を撫でてくれた。


「ほえ、おうすえば、いいんえすあ?(これ、どうすれば、いいんですか?)」


放出した液が口のなかに広がる。

苦い。

ネバついていて、イガイガする。


「好きにしていいよ。吐き出してもいいし」


遠慮するようにヨシキさんは言うが、いったん口にしたものを吐き捨てるのって、なんだか行儀が悪い。それに、ヨシキさんが出したものは、なんでも愛しい。

思い切ってわたしは、ごくりと呑み込んだ。ぬっとりとした感触が喉の奥を伝わり、奇妙な快感を残す。


「…呑んじゃった」


そう言ったわたしを、ヨシキさんはギュッと力いっぱい抱きしめ、感動したように声を震わせながら言った。


「嬉しい! 嬉しすぎるよ、凛子ちゃん!!

きみってほんとに、素直で素敵すぎる!!!」


つづく

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