樹煙(じゅえん)の民

葉は我が切っ先

浅く深い血を欲す


葉は我が衣

そなたの涙ぬぐい去る


葉は我が息吹

いつか枯れゆく時を生き


葉は我がまこと

変わらぬものは何もなし


森に還らぬその髪も

頭を垂れた傷口も

風が束ねて結い上げる

乾いたまなこにゆめは在り

重ねることに火が宿る

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る