第31話:『ファンなのが恥ずかしい』

 私は、アイドルも舞台もそうですが、“作品”を好きになるタイプの人間なんです。


 私にも、好きなアイドルグループはいるけれど、その子の歌声やダンス等で好きになったりします。

 アイドル個人のファン達をどうこう言うつもりはありません。

 寧ろ、推しの名前刺繍が入った特攻服を着て、コンサートに行く方達の映像を見ていると、『凄いなぁ』って感心してしまいます。

 なんだろう…。

『俺は、この子に全てを捧げるぜぇ‼︎』

 って言う、熱い想いが伝わって来る気がしますよね。


 でも、ついこの間某動画サイトのコメント欄を見ていて、驚きました。

『最近この子達、体型管理がなってない!』

『このグループに可愛い子がいないからなぁ』

『最近は、むっちr…ふくよk…デブだよね』


『知人に、この子達のファンだって言い難い』

『ファンなのが恥ずかしい』


 正直、昔からちょっと肉付きが良い子には、『デブ』やら『ブス』なんてコメントが多かった…。

 でも、『ファンって言うのが恥ずかしい』ってコメントには、本当に驚きました。

 きっと、コメントを書いた方は『昔はもっと可愛かったのに』って言いたいのかな。

 知人に布教する時に、『こんな子が好きなの?ブスじゃん』って言われるのが嫌なのかな。


 なんだか、そのコメントを見て『ファンってなんだろう』って思いました。

 今までも、熱愛報道なんかが出たりすると、『有り得ない!』

『いっぱい貢いできたのに…』

『○○がお泊まりデート?!嘘だ嘘だ!!』

 なんて批判的になるパターンは見た事があったんですが、まだ何も問題を起こしていないのに、『ファンの為に改善しろ』みたいなコメントが書き込まれる時代になってしまったんですね…。


 よく、ライブ等で『応援して下さった、ファンの皆さんのおかげです!』という発言の中には、先程書いたみたいなファンも含まれているんだろうなぁ…と思うのですが、なんだか複雑な気持ちになってしまいました。


“ファン”の為により良いパフォーマンスをしようと励む人達がいれば、

我々ファン”の為にもっと痩せて、可愛くなって、皆に自慢できる様な存在になって欲しいと願う人もいる。


“ファン”にも、いろんなタイプがいるんだなぁ…と思い知った夏でした。

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