01-05 闇の取引、驚きの再会

俺が力になるー

その男の言葉に後押しされたチャックは、これまで自分がやってきた事を赤裸々に話した。

「彼女が撮影するスタジオや、帰るルートの情報は裏掲示板で手に入れたんだ……」

「最悪な野郎だな……そんなに彼女に惚れたのか……」

男はコーラを飲みながらそう言った。

「僕はranぴょんを手に入れたいんだよ……でも……どう頑張っても振り向いてくれないんだよ」

「……」

少しの沈黙の後、男は小声でこう言った。

「手に入れたいなら……いい方法がある……ちょっと手荒だけど」

「どんな方法だ……」

そう身を乗り出したチャックに、男は彼の耳元で何やら囁いた。それを聞いた彼はニヤリと笑いこう言った。

「それは……ナイスアイデアだ」


***


次の日の放課後。麻里は蘭を連れて街を歩いていた。

「今からどこに行くの……」

蘭がそう聞くと、麻里は彼女の顔を見てこう言った。

「それは……ヒ・ミ・ツ」

「……」

蘭は眉をひそめて、ため息をつきながら親友の隣を歩いた。そうこうしてるうちに二人は目的地に到着した。

「着いたよ」

「ここって……」

二人の前にあるガラス戸にはこう書いてあった。


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「喫茶店かあ……」

「そうだよ……さあ、入りましょ……」

そう言って二人は、中に入った。おしゃれな照明器具が照らす店内を進んだ後、二人は窓際の席に座った。

「なんで私をここに連れてきたの……」

席に着くなり、蘭は麻里に聞いた。すると麻里はこう答えた。

「決まってるじゃん……あんたを励ますためだよ……」

「私を……励ますため……」

「最近、塞ぎ込んでるみたいだからさ……美味しいコーヒーとか飲んで元気になってもらいたいから」

彼女の優しさに、蘭は少しキュンとした。

「ありがとう……」

「お礼なんていいよ……あたしは蘭さえ元気になればそれでいいから……」

「麻里……」

蘭がそう目を潤ませていると、後ろから声がした。


「あの……すみません……ご注文はお決まりでしょうか……」

「あっ……」

そう言って振り向いた蘭は一瞬固まった。なぜなら注文を聞いてきたのが、こないだの青年だったからだ。

「どうしました……? 」

「いいえ、なんでもないです……」

彼女はそうかぶりを振ると、冷静に紅茶を注文した。

「じゃあ、私はオレンジジュースをお願いします」

心配そうな顔をした麻里は、オレンジジュースを注文した。


***

「どうしたの……?」

青年がカウンターへ行った後、麻里は蘭に聞いた。

「あの人……こないだの人だ」

「こないだって……?」

その言葉に対し、蘭は顔を赤らめながらこう言った。

「走ってたらぶつかったの……あの人に」

「漫画みたいじゃない」

「からかわないでよ……」

彼女はテーブルの上に顔を伏せた。


(続く)

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