残された身にもなって
誰もいないオフィス。プレゼン資料にミスを見つけた僕は、必死に修正していた。あれだけチームで頑張ったのだ。ここで頓挫させるわけには――。
「先輩、一緒にやりましょう」
後輩ちゃんに声をかけられ、体を震わす。
「帰ったんじゃ?」
「帰るフリをして残業する先輩は、あとでお説教です。だいたい同棲してるんだから、嘘ついてもバレますよ。何がちょっとヤボ用ですか。浮気を心配した私がバカみたい」
「え――」
「頼られず残された身になって欲しいです。結構、寂しんですからね」
「ごめん」
そのタイミングで、メンバーが戻ってきて目を丸くする。
「やりますか! でもその後で同棲云々に関しては追求ですからね!」
________________
第79回 Twitter300字SS
テーマ「残る」で参加
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます